一昨日、昨年度(平成25年度)に作製した剥製・骨格標本などを収蔵庫に収納しました。
今回は、大きめの資料が多かったです。
今回、収納した一番の大物、ザトウクジラのヒゲ。
横から。
ヒゲクジラのヒゲってどこに生えているの?と思う方もいるかもしれませんが、上あごに一枚一枚がクシのように連なって付いています。
写真では逆さまになっているので、わかりにくいかもしれません。
このヒゲは2011年1月に静岡に打ちあがったザトウクジラ(写真)のヒゲです。
この写真では仰向けになっており、矢印のところにヒゲがはみ出ているのがわかるでしょうか。
ヒゲクジラ(ナガスクジラ科)は、海中のエサを水ごと口に含み、このクシのようなヒゲの隙間から水だけ出してエサをこしとって食べます。
わかりにくいのでイラストにするとこんな感じです。
何で静岡のクジラが名護博物館にあるの?という点については、ぜひ過去の記事(こちら)をご覧ください。
その記事にも書いてある通り、このクジラは全身骨格を収集する予定でしたが、残念ながらそれはかないませんでした。
でも、ヒゲと胸びれなど、一部の骨格は収集することができました。
胸びれの骨。
ザトウクジラの学名(属名)であるMegapteraはラテン語で「大きな翼」の意味であり、胸びれが大きいのがこの種の特徴の一つです。
ひれの中には、私たちと同じように指があります。
さて、我らが名護博物館には、資料を移動させるための高度な機材などはありません!
人力で収蔵庫まで運びこみます。
男4名でないと持ち上がりません。
移動中。
時には、おみこしのようにワッショイワッショイと運びます(笑)
クジラに次いで大きいのはタイマイ(ウミガメ)の本はく製です。
甲羅の長さが65cmくらいあります。
去年の7月に市内東江の人工ビーチに死体で打ちあがったもので、沖縄美ら島財団(沖縄美ら海水族館)の協力を頂いて手に入れることができました。
その他に鳥の本はく製2点を作製しました。
ミフウズラ
ウグイス
自然史資料以外では絵画1点、陶器4点を購入しました。
山入端哲夫作(油絵)「岩礁」
実物は、写真で見るより豊かな色彩があります。
人間国宝である金城次郎作の陶器、抱瓶(ダチビン)。
腰に携帯できるような形をしています。
これらの作製・購入した資料は、今後展示会などで一般公開する予定です。
乞うご期待!
(NM)