日々のなごはく。

名護博物館ブログ

野鳥展のすすめ その2 近くて遠い?身近な野鳥

前回(こちら)に引き続き、現在開催中の「バードウィークだ!ミニ野鳥展2016」の見どころなどを紹介します。

今回の展示会は、上の写真(水辺の鳥)のように環境ごとに見られる野鳥を紹介しています。
身近な鳥のはく製や巣などもたくさん展示していますが、「こんな鳥ホントにいるの?」と思う方もいるかもしれません。
身近な自然というのは見落としがちになってしまいますが、気づかないだけで色々な生きものたちが暮らしているものです。
この展示会がそうした身近な自然への「気づき」の手助けになれば、とてもうれしいですね。


キジバト + 巣
キジバトの巣は、枝を重ねただけでスカスカ・・・
巣作りはへたっぴ?いやいや、シンプルイズベストなのかも?
ちなみにハト類は、ピジョンミルクをヒナに与えて子育てするので、エサの少ない冬場でも繁殖が可能です。


やんばるの人はおなじみ、リュウキュウハシブトガラス
巣には周辺住宅からカラスが盗んだハンガーが豪快に使われています。
巣の中には、ヒナの標本も。


このカラスのヒナの標本は、プラスティネーション標本です。
名護市にあるエヌケイ商事さんに技術協力を頂いて制作しました。
プラスティネーション標本って何ぞや?と思った方はこちら ⇒ http://plastomic.net/


ヒヨドリ + 巣
沖縄名はスーサーなど。身近な野鳥の代表選手ですね。


秋に南下し、沖縄でも壮大な渡りを見せてくれるサシバ
一部は沖縄で越冬します。


一年中沖縄の農耕地や水辺で見られるシロハラクイナ
親子連れのはく製です。


コゲラ。近くの公園などでもよく見かけます。
一生懸命巣穴を掘っている姿を先日も紹介したばかりです(こちら)。


アカショウビン。初夏に沖縄にやってきて繁殖します。
今日も近くの山からきれいな鳴き声が聞こえてきました。
ちょうどこれからが繁殖の時期で、窓ガラスに衝突する等の事故が多くなります。
先日も博物館に傷ついて保護されたアカショウビンが運ばれましたが、残念ながら死んでしまいました・・・
脳震盪(のうしんとう)だけなら、しばらく休めば自然に帰れますが、どこかに傷を負っていると助かる見込みは低くなります。窓ガラスへの衝突防止には、鳥にもわかるような目立つステッカー(バードセイバー)などを貼って対処する方法があります。


シロチドリの巣。
巣は本物。卵は模型です。
海辺の砂地などで繁殖しますが、遠くから見ると、巣と卵が背景にとけこんで、どこにあるのかわかりません。


エリグロアジサシ
海辺の岩礁で繁殖します。市内でよく見かけるアジサシ類は本種とベニアジサシです。
市内では屋我地島周辺がアジサシたちの繁殖地として有名ですが、近年個体数の減少が深刻なようです。
アジサシ類は、繁殖地である岩礁に人が近づくと、親鳥が子育てを放棄してしまう場合があることが知られています。岩礁などに近づいたとき、アジサシ類が鳴きながら上を飛んでいたら、巣がある可能性がありますので、その場合は近づかずにそっとしておいた方がいいでしょう。
ちなみに、激減しているベニアジサシの繁殖数を増やすため、繁殖時の鳴き声を再生する装置とデコイ(作り物の鳥)を屋我地島岩礁に置いて、親鳥の営巣を誘う作戦が今年から開始されるそうです。
うまくいくと良いですね。

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さて、ごく一部ですが、展示会の紹介をしました。


展示を見終わったら、ぬり絵にも挑戦できますよ。

展示会は15日までですので、ぜひお越しください!

(NM)