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名護博物館ブログ

秋の嘉津宇岳2016 その13 〜アカハラダカ・サシバ渡り調査〜

こんにちは。少し間が空いてしまいましたが、毎朝のタカの渡り調査は続いています。
今季の嘉津宇岳では、10月16日からアカハラダカよりサシバの方が多く確認されるようになりました。
といっても、サシバの数はまだ少ないです(10月16日の162羽が最高)。


なぜ、月という感じですが・・・

今朝(2016年10月19日)の嘉津宇岳では、調査開始直後の6時半に月をバックにサシバの群れ(33羽)が南西へ渡っていきました。
まだ薄暗かったですが、このような早い時間にもサシバの渡りは見られるので早起きしなければなりません(汗)。


サシバ (2016年10月17日)

カラスと同じくらいの大きさのサシバは、アカハラダカに比べるとゆったり飛んでいるように見えます。


サシバを攻撃するツミ (2016年10月17日)

気性の荒いツミが、近づいてきたサシバを追い回して攻撃を加える様子も見られます。
自分の倍ぐらいある相手にもひるみません。


ツ ミ (2016年10月17日)

大きさはアカハラダカと同じくらい。
アカハラダカとよく似ていますが、初列風切の翼指が5枚(アカハラダカは4枚)、まだら模様が細かい等の違いがあります。
でも、遠いと判別はムズカシイ!


ハシブトガラスの群れ (2016年10月16日)

ここ数年は、森に居ついているカラスの数が増えている気がします。
調査初期の2009年頃には見られなかった光景です。
ちなみに上の写真には10羽写っています。


ミサゴを追い回すハシブトガラス (2016年10月18日)

サシバを追いかけ回しているのはよく見かけますが、昨日は自分よりかなり大きいミサゴにもちょっかいを出していました。



・・・さて、タカの渡りの主役はアカハラダカからサシバに移りましたが、最初に紹介したとおり、去年の同時期に比べると数は少ないです。
今年は、アカハラダカの渡りの時期が後ろにずれていたので、サシバもこれから数が増えればいいのですが・・・

台湾猛禽研究会のホームページによると、台湾ではサシバの渡りピークは10月15日だったようで、一日で11,057羽が確認されたようです(ケタが違いますね!)。
その後は数が減り続け、10月18日には361羽しか確認されていないもよう・・・

この結果を見ると、沖縄でも渡りの確認個体数が少ないまま終わってしまいそうな気もします。

ちなみに、まだアカハラダカもちらほら確認してはいますが、大きな群れは確認できず、渡りはほぼ終わったと考えてよさそうです。
10月19日現在で、今秋の嘉津宇岳で確認したアカハラダカの渡り個体数は、計8,278羽になりました。
ちなみに名護岳では、計15,832羽とのことです。
今年はアカハラダカの当たり年で、2008年に調査を始めてから一番多くの渡り個体数が確認されています。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  おまけ  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

展望台の前にいたアオカナヘビのオス (2016年10月18日)

(NM)

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