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名護博物館ブログ

2016年秋のアカハラダカ・サシバ渡り調査 〜中間報告〜

こんにちは。数日前から強い北風が吹き始めてすっかり肌寒くなりましたね。

さて、9月から名護岳・嘉津宇岳で毎朝行ってきたアカハラダカ・サシバの渡り調査ですが、ここ数日で渡っていくサシバの姿もほとんど見かけなくなりました。どうやら渡りは、ほぼ終了したと考えてよさそうです。

調査も一区切りついたので、10月31日までの結果をまとめてみました。

アカハラダカ渡り個体数】
  名護岳(2016年9月8日〜10月31日) 15,876羽(最高4,151羽 10月5日)
  嘉津宇岳(2016年9月12日〜10月31日) 8,284羽(最高1,752羽 10月1日)
  計 24,161羽

サシバ渡り個体数】
  名護岳(2016年9月8日〜10月31日) 5,922羽(最高1,346羽 10月16日)
  嘉津宇岳(2016年9月12日〜10月31日) 897羽(最高320羽 10月21日)
  計 6,819羽

上の図は、秋の渡りの年別確認個体数(名護岳・嘉津宇岳合計)です。
今年は、調査開始当初は渡りがなかなか確認できず、どうなることかと心配しましたが、結果としてはアカハラダカ、サシバ共に継続調査開始以来、過去最高の渡り個体数が確認されました。

過去3年分の調査期間中の渡りの消長(名護岳・嘉津宇岳合計)を図にしたものです。
少し見づらいと思いますが、横軸が日付、縦軸が個体数です。
※2016年は10月31日までのデータです。

アカハラダカの後にサシバが渡ってくるのはどの年も同じですが、それぞれピークには年変動があるのがわかります。
このブログでも紹介してきたように、今年はアカハラダカ・サシバともに渡りのピークが後ろにずれているのが図からも読み取れます。

タカの渡りは天候に大きく左右されるので、渡りの個体数やピーク時期の年変動も天候によるものと解釈することができますが、あるいは何かほかの要因もあるかもしれません。これからデータをじっくり見直し、他地域の調査等と比較することで見えてくることもあると思います。
ちなみに、今年の個体数が多かった要因として、台風の影響をほとんど受けなかったことは一つ挙げられると思います。

なお、今年のタカ渡り調査結果をふり返り情報交換する反省会も年内に行う予定です。
詳細は、また改めてお知らせしますので、ぜひご参加ください。

とりあえず、調査にご参加頂いた方、ご協力頂いた方、朝早くからお疲れ様でした!!

(注)本記事で紹介した結果は、暫定的なものです。今後の集計、解析等で若干変化する可能性があります。

(NM)

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