少し前のことですが、名護市内の海岸の林でキノコのような奇妙な形をしたキイレツチトリモチ Balanophora wrightii がたくさん生えているのを見かけました。
キイレツチトリモチは、海岸や低地でよく見かけるトベラやシャリンバイなどの根に寄生するとのことです。沖縄県レッドデータで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。
これまで気づかなかっただけかもしれませんが、私は初めて見ました。
黒い点々に見えている部分が雄花とのこと。雌花は外からは見えないらしいです。
花の時期はもう終わったと思っていましたが、近くでサイヨウシャジン Adenophora triphylla がまだ咲いているのを見つけました。
低地から山地の日当たりのよい草地などに生えます。
沖縄県レッドデータでは準絶滅危惧(NT)に指定されています。
キイレツチトリモチについては、中南部で前は見られたのに今は姿を消してしまった場所がある、と知人から聞いたことがあります。
こうした希少植物は、生息環境の悪化や乱獲によって地域絶滅するリスクを抱えています。植物は自分で移動できないので、乱獲のリスクは動物以上に高いように思います。
多くの人(特に地元の人たち)に見てもらいたいですが、場所が公開できないなど、悩ましい部分がありますね。
(NM)