日々のなごはく。

名護博物館ブログ

石灰岩地の森

現在、新博物館の設計を進めており、大忙しです!
今の名護博物館の展示を土台に、新博物館の展示の詳細を考えています。

展示のイメージを強めるため、また、12月のイベントの下見も兼ねて、やんばるの石灰岩地の森に足を運びました。

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大宜味の猪垣

今回の主目的は、上の写真の猪垣(イノガキ、シシガキなどと呼ばれます)の構造を見ること。猪垣は、かつて農作物をイノシシから守るために築かれた構造物です。沖縄ではカキバ(垣場)とも呼ばれています。

この場所は石灰岩地なので、石灰岩を積んだ見事な猪垣でしたが、場所によっては、石の代わりにテーブルサンゴを使ったり、土手の上に竹を植えたりしたようです。

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大宜味の猪垣

設置場所は尾根なのか斜面なのか、高さはどのくらいなのか・・・などなど、資料だけではよくわからない部分を観察してきました。

猪垣を横から見ると、斜面にあることがわかります。
ただ、場所によっては、必ずしもそうではありませんでした。
やはり、現場を見ないとわからないものです。

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アカマタ(2019年11月5日 大宜味村

ここへ来る前に、他の場所も色々と回っていたため、辺りはすでに暗くなっていました。夜の森の住人たちが出迎えてくれます。写真はまだ幼いアカマタ
このあたりはハブも多いので・・・用心用心!

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オオムカデのなかま(2019年11月5日 大宜味村

20 cmほどもある巨大なムカデがニョロニョロと・・・
毒を持っているので、うかつにさわれません。

あまりいい写真も撮れないまま、あっという間に姿を消してしまいました。

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ヒメアマガエル(2019年11月5日 大宜味村

この一帯は、石灰岩地で地表の川は発達していないのですが、ヒメアマガエルやリュウキュウカジカガエルはたくさんいました。幼生は石灰岩のくぼ地に溜まった水溜りなどでくらしているのでしょうね。

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オキナワキノボリトカゲ(2019年11月5日 大宜味村

寝相の悪いオキナワキノボリトカゲがいました。
そんな格好で寝られるのかぃ・・・と思いましたが・・・

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オキナワキノボリトカゲ(2019年11月5日 大宜味村

・・・本人はいたって快適のご様子。

 

ふとライトを向けた先にキラキラ光るものが・・・

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ナナホシキンカメ(2019年11月5日 大宜味村

ナナホシキンカメの集団が葉の裏でじっとしていました。
別にめずらしいわけではないですが、宝石のように美しいので、見つけると何だか得した気分になる生きものの一つです。

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センリョウ(2019年11月5日 大宜味村

センリョウが実を付けていました。
正月の飾り物として人気があるようですが、個人的には、花や実は自然の中に足を運んで見たいです。

 

・・・さて、新館づくりについては、10年前からずっと関わってきましたが、いよいよ本格的に動き出し、もう出来上がるまで待ったなしの状況となりました。

あれこれじっくり考えたいのですが、時間は止まってくれません。
ただ後悔のないように、ベストではなくてもベターになるよう、自分にできる最善を尽くしたいです。

(NM)