昨日(2020年1月25日)の沖縄は、夏日で汗をかくほどの暖かさでした。
ちなみに、最高気温が25℃以上の場合を夏日、30℃以上の場合を真夏日と呼ぶようです。
夜、やんばる(沖縄本島北部)の川へ出かけたのですが、林道にはこれまで見たことがないほどたくさんのイボイモリ(沖縄県指定天然記念物)が歩いていました。
このブログでもたびたび紹介していますが、イボイモリは繁殖期を迎える3~4月頃に路上を歩き回るため、ロードキル(交通事故死等)が多くなります。
私は冬に産卵するカエルを観察するために、1月に何度もこの場所を訪れていますが、これほど多くのイボイモリを見たのは初めてです。
季節はずれの暖かさに、勘違いして出てきたのかもしれません。
目的の沢へ着くまでの林道約3 kmの間、車から確認できるだけでも60個体以上のイボイモリを見かけました。
ピンポイントで2~3匹が集まってる場所もたくさんあり、車でよけながら走るのにずいぶん時間がかかりました。
上の写真はいかにもヤラセのように見えますが、見たままの撮影です。
顔をつき合わせて何をしているのかしりませんが、道路脇のいたるところでこのような感じなので、落葉があるようなところは怖くて上を通れません!
この一晩で、80個体以上のイボイモリを見ましたが、今のところ個人的に過去最高記録です。
なお、道路上には、イボイモリだけでなく、ハナサキガエルやオキナワアオガエル、シリケンイモリなどもいました。
冬でも暖かい日の夜は生きものが活発に動き回っていますので、やんばるの林道を通行する際は、車でひいてしまわないよう注意が必要です!
・・・・・・・・・・・ おまけ ・・・・・・・・・・・
おまけといいつつ、今回の主目的は沢に入ってカエルなどを観察することでしたので、少し紹介。
上にも書いたとおり、この日は冬にあるまじき暖かさだったので、カエルたちの活性も高かったです。同じ穴の中にオキナワイシカワガエル×3とイボイモリ×1が!
沖縄県天然記念物、夢の競演です。
穴の中で仲良さそうな2匹。
ただし、オスとメスとは限りませんが・・・
オスとオスかも・・・
冬にやんばるの渓流で産卵するカエルは、リュウキュウアカガエル、ハナサキガエル、オキナワイシカワガエル、オキナワアオガエルの4種です。
このうち、リュウキュウアカガエルの産卵はほぼ終わり、ハナサキガエルもピークを終えつつあるようです。オキナワアオガエルはこれから春ぐらいまで産卵シーズンが続きます。この場所では、イシカワガエルが盛んに鳴いていました。
去年の夏に幼生から変態したと思われるかわいらしい子ども(体長2cmくらい)もいました。
イボイモリの姿は、林道だけでなくもちろん沢筋にも。
沢の脇の水たまりや流れの緩やかなところでは、シリケンイモリも集まっていました。このイモリも冬に産卵します。
さて、夏日となった沖縄ですが、来週には寒波がやってくるようです。
歩き回っているイボイモリたちは寒くなったらどうするのか・・・
天気予報を教えてあげたいくらいですね。
1月なのに暖かくてビックリ顔!のイシカワガエル・・・
・・・というのは冗談です。
(NM)
最後によその企画展の紹介ですが、東村の博物館でやんばるのカエルの写真企画展が開催されています。冬と夏の2バージョンがあるそうです。
いつもお世話になっているC先生の美しい写真が盛りだくさん!カエルに関心のある方必見です!
詳細は下のリンクからどうぞ。