令和元(2019)年度も残りあとわずか。
今年度予算で作製したはく製などが届いたので、少しだけご紹介!
冬に沖縄へやってくるミサゴ。
当館では、常設展示室で展示している古いはく製1点しか所蔵していなかったため、作製することにしました。
冷凍庫にストックしていた個体のうち新鮮なものからはく製用に選んだのですが、解剖時に頭部の羽毛脱落が激しかったようで、1個体目・・・2個体目と続けて失敗し、3度目の正直でなんとかきれいな本はく製にすることができました。
一見きれいな死体でも、解剖時に羽毛などが抜けてしまうことはよくあります。
こればかりは、実際にやってみないとわからない部分があります。
こちらは、弱って保護されたのち死んでしまった個体だったのですが、きれいにはく製にすることができました。
当館では初のチゴハヤブサのはく製です。
まるで本物のような精巧な造りのレプリカ(複製)です。
水生動物や両生・は虫類などの小動物は、レプリカの方がはく製(本物)よりもリアルに生きている頃の姿を再現できることがあります。
もちろん、その完成度は作製者の技術の高さに比例します。
はく製などを作る業者はたくさんありますが、それぞれ得意としている分野が違ったりします。
はく製やレプリカを作るには、長年の経験でようやく会得できる作製技術・知識だけでなく、対象生物の形態・生態に関する知識や観察眼、姿勢を再現する際の美術的センス等が必要となります。
自分もチャレンジしてみたいですが・・・技術も時間も、まだまだ圧倒的に足りないですね。
(NM)