日々のなごはく。

名護博物館ブログ

そろそろイジャイのシーズン到来か

名護市には、3つの特徴的な海の環境があります。
東海岸の大浦湾、
西海岸の名護湾、
そして、屋我地島沖縄本島に挟まれた羽地内海です。

先日、大潮の深夜に潮の引いた羽地内海を歩いてきました。大潮干潮時には、広大な干潟(ひがた)が姿を現します。

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夜の羽地内海(大潮干潮時)

この日は満月でしたので、月明かりで幻想的な景色が一面広がっていました。
波の穏やかな羽地内海は、昼は風光明媚な景色が楽しめますが、夜もいいものです。

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屋我地島南端から望む沖縄本島北部

冬の大潮は深夜に潮がよく引くので、これからの時期はイジャイ(イザリ)と呼ばれる潮干狩りのシーズンでもあります。
上の写真で集落の家の光に混じって海の上に見える光は、イジャイをしている人の懐中電灯の光です。
私は、暗く静まり返った海の中で動いているイジャイの光を眺めるのが好きです。

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モエビのなかま

イジャイと言えば、シガヤーと呼ばれるタコを取る人が多いのですが、残念ながらこの日は出会えませんでした。上の写真はクルマエビ科のエビで、モエビの類だと思いますが・・・水の上から眺めていただけなのでよくわかりません。

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しばらく観察していると、砂に潜りました。眼だけ出して辺りの様子を伺っています。

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クロサギのなかま

クロサギ(鳥ではなく魚の)のなかまの幼魚が水際の浅い部分でじっとしていました。夜は休んでいる魚が多いので、観察するにはちょうどいいです。夜行性の魚は活発に動き回っていますが。

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月夜に照らされて浜辺に横たわるのは・・・?

実は、私の主目的はイジャイではなく、この横たわっている物体を見にくることでした。日中、当館に情報提供があったのですが、見に行く時間がなかったので夜になってしまったのです。

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漂着したコマッコウ

体長約3.2 mのオスのコマッコウ Kogia breviceps の死体です。
クジラの中ではかなり小ぶりな本種ですが、3 mにもなると重くて個人でどうこうできるサイズではないです。この日は簡単な計測だけして帰りました。

このクジラがどうなったのかは・・・また別のお話。

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(NM)