先日、名護市内からフクロウ類のバードストライク情報が同じ日に2件続けて当館に寄せられました。
バードストライク(鳥類の人工物への衝突事故)で多いのは、鳥たちには見えないガラスにぶつかる事例です。1件はしばらく休んで無事に野生復帰、もう1件は動物病院に運ばれたようです。
電話で特徴を伺ったところ、市街地周辺でもよく見られるリュウキュウアオバズクかリュウキュウコノハズクと思われました。
ガラス窓によく鳥がぶつかるようでしたら、鳥たちにも見えるようにポスターなどを貼ると良いとされています。
ところで、本題はここからなのですが・・・この話を聞いて、今年の春頃に名護市内の路上で見つけた交通事故死(ロードキル)のフクロウ類が冷凍庫に眠っていることを思い出したのです。
ペチャンコの状態で見つかったので、完全なはく製にはできないものの、翼など部分的な標本は作れると思い、拾ってきたものです。
今回、冷凍庫の整理のついでに、標本化しました。
リュウキュウオオコノハズクの左翼の標本です。
翼には腐りやすい肉や脂はほとんど付いていないので、わりと手早く標本にすることができます(とは言え、除肉して防腐処理、水洗いしてから乾かしているのでそれなりの手間ですが)。
なお、路上で発見したときは下のような状態でした・・・
ややショッキングな写真かもしれません(交通事故でつぶれたフクロウ類の写真です)
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このような状態でした。
はく製などの標本を作ることを嫌う方もいるかとは思いますが、確かな記録として標本を作ることは博物館の重要な使命の一つです。
翼だけでも残しておけば、その個体の生息記録の根拠として確かな証拠標本となり、将来的に様々な研究や教育活動に活かすことができるでしょう。
最近は、羽からDNAを取ることも技術的には可能なようですからね。
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さて、標本を作ることの重要性については、たとえば下の記事でも紹介しています。
よろしければ一緒にご覧ください。
(NM)