日々のなごはく。

名護博物館ブログ

市街地周辺で平和学習

少し前のことですが、名護市と友好都市である群馬県館林市の児童たちが交流事業で名護を訪れ、市街地周辺で平和学習を行いました。

当館のH学芸員が、歩いて回れる戦跡地を案内しました。

少年護郷隊之碑(2023年10月9日)

かつての名護国民学校があった場所には、少年護郷隊之碑が建っています。日本の敗戦の色が濃厚になってきた1944年、米軍へのゲリラ攻撃を展開するため、地元の15~18歳の少年たちが護郷隊に招集されました。

この碑では、亡くなった91名の名前が刻まれています。

自分たちとさほど年が変わらない少年が戦争に駆り出されたということで、参加者の児童たちも説明に聞き入っていました。

津嘉山酒造所の壁に残る弾痕(2023年10月9日)

国の重要文化財に指定されている津嘉山酒造所の敷地内にある壁には、今でも弾痕跡が残っています。戦争で名護市街地周辺も瓦礫の山になりましたが、この酒造所は赤瓦の立派な建物であり、米軍が戦後使用するために残されたという経緯があります。

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さて、今回の学習で参加した児童はどんなことを感じてくれたでしょうか。
戦後75年以上が経ち、戦争を体験した方がいなくなっていく中でどのように平和学習を次の世代へつなげていくかということが全国共通の課題となっています。

世界で現実に起こっている戦争・紛争を遠い地の他人事と思わず、今享受している平和が当たり前のものではないということを一人一人が考えていく必要がありますね。

(NM)