日々のなごはく。

名護博物館ブログ

「大浦湾の生きものたち2013」をふり返る その1 〜展示編〜

こんにちは。学校の夏休みも残りわずかですね。
充実した休みをすごすことができたでしょうか。

博物館では、旧盆をはさんで夏のイベント(自然観察会や講座)が多く、慌しい毎日が続きました。

そんなわけで、少し間が空いてしまったのですが、今月11日まで開催されていた写真展、
発見!ワッター海の自然「大浦湾の生きものたち2013」
の開催状況などをお知らせしたいと思います。

【会場の様子(すなっくスナフキン提供)】
この展示会は、大浦湾を活動拠点にするダイビングチーム「すなっくスナフキン」の皆さんが撮影した1,000点以上の写真を紹介したもので、これまでにも名護博物館で何回か開催しています(前回の様子はこちら)。

しかし、回を重ねるごとにその内容はグレードアップし、今年は様々な機関と連携して、展示やイベントの同時開催、標本や水槽の設置など、写真展の域をはみ出した展示会となりました。

まずは、本会場である名護博物館の様子を。

本会場の来場者数は1,500人を超え、多くの方に足を運んでもらうことができました。
市内各小・中学校の全生徒にチラシを配るなど、広報に力を入れたかいがありました。


写真の子曰く「海の中にいるみたい」。自由研究に使うのか写真を写真に撮っている子も(笑)。


貝類学者の名和さんが制作した、瀬嵩(せだけ)海岸の渚に打ちあがる貝殻の帯を再現したジオラマ

このケースの中で展示された貝の種類はなんと350種以上!!しかも、そのほとんどをわずか数時間で拾ったというのですから驚きです。大浦湾の自然の豊かさを実感させられます。
お客さんもその数には圧倒されていました(展示会が終わった現在は、博物館常設展示室2階で展示しています)。


さわることのできる貝殻や、プランクトンなどを顕微鏡で観察できるコーナー、大浦湾の山〜海の映像など、盛りだくさんです。顕微鏡は子どもたちに大人気でした。

そして水槽による生きものの展示。
水族館が好きなのは、日本人の国民性と聞いたこともありますが、やはり生きている生きものは魅力的です。

最近の博物館ではおなじみの川の生きもの。大浦湾に面している川から来てもらいました。
上流で見られるクロヨシノボリ(左)、ヒラテテナガエビ(右)

河口近くのマングローブ林で見られるアミメノコギリガザミ
ノコギリガサミは手の平サイズをこえる大物で、ハサミを振り上げる様子を見て子どもたちは歓声を上げていました。

写真の展示は、山から海の順に並んでいるので、水槽の生きものたちも川から海へ。

一見すると、これヒトデ?と思わせるマンジュウヒトデ(左)と、
いかにもヒトデな形のジュズベリヒトデ(右)

植物のような見た目のウミシダのなかま。
ウミシダは泳ぐんですよ、と説明するとビックリするお客さんも。


カニそっくりだけど、ヤドカリのなかまのカニダマシ(左)
カラフルな色のスベスベサンゴヤドカリ(右)

負けず劣らずカラフルで、おかしみたいなコンペイトウウミウシ


かわいい姿としぐさでお客さんを魅了していたセミホウボウ

足と名前が長〜いアシナガツノガニモドキ(左)
最近、大浦湾から国内で初めて見つかったニシヒラトゲコブシ(右)

この辺の生きものは、なかなかお目にかかれないと思います。
ツノガニモドキは、展示期間中にきれいに脱皮して驚かせてくれました。(最初、2匹に増えたのかと思いました(笑))
国内初展示?のニシヒラトゲコブシは、すなっくスナフキンの代表、西平さんの名前が付けられたカニです。


今回は、福島県の水族館「アクアマリンふくしま」で行われた企画展「辺野古・大浦湾の海」の展示物も一部展示しました。
アクアマリンふくしまは、東日本大震災で大きな被害を被った水族館です。


最後に塗り絵コーナー。小さなお客さんに大人気。
塗ってもらった絵の一部は、受付の後ろに展示。個性が出ています。

写真展にもかかわらず、写真のことにほとんど触れていませんが、
展示のお話はこれくらいにして、次回〜連携・イベント編〜につづきます!

つづき

(NM)