先月は、小学校の総合学習で川へ出かける機会が多く、市内の名護小、大宮小、東江小合わせて計9回の出前授業を行いました。
名護小学校の川の学習
東江小学校の川の学習
上の二つの学校は、川はそれぞれ違いますが、どちらも潮の満ち干きで海水と淡水が混ざる汽水域へ出かけて生物を観察しました。
ギンガメアジの幼魚
オニカマスの幼魚
オキナワフグの幼魚
こどもに大人気!その1。
ふくらむところがかわいいですからね。
クロホシフエダイ(左)とオキナワフグ(右)の幼魚
食用となる水産的に重要な海産魚の中には、子ども時代を汽水域ですごすものもたくさんいます。
子どもに大人気!その2、ヨウジウオのなかま。
今回は写真のアミメカワヨウジも見つかりました。
最近改定された沖縄県のレッドデータブックで絶滅危惧IB類に指定されています。
写真のアミメカワヨウジはおなかの大きなオスで、持ち帰って数日経つとおなかから稚魚がたくさん出てきました。
おなかの大きなオスってなんぞや?と思った方もいるかもしれませんが、ヨウジウオのなかまはメスがオスのおなかにある育児嚢(いくじのう)に卵を産みつけ、オスがふ化するまで守ります。
アミメカワヨウジの育児嚢は尾部にあるので、正確にはおなかではなく、しっぽですかね。
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一方の大宮小学校は、潮の影響を受けない中流の淡水域で学習を行いました。
ルリボウズハゼ
オスの体が瑠璃色(るりいろ)になるきれいなボウズハゼのなかまです。
ルリボウズハゼは、2005年に発表された沖縄県のレッドデータブックで絶滅危惧IB類に指定されていましたが、今年(2017年)改定されたレッドデータブックでは評価が見直されて指定から外れています。
以前はあまり見かけなかったようですが、現在の名護市内の川ではわりと普通に見かける魚になっています。
ちなみに、1988〜1998年に名護市内で行われた淡水魚調査*1では15河川のうち3河川でルリボウズハゼが確認されていますが、私が知っている限り、現在この15河川のうち7河川で本種がふつうに見られます。
大宮小は、午前中に川で観察を行い、午後は学校でお話をしました。
一部の生きものは持って帰って学級ごとに飼育する試みも行っています。
去年も同じような学習を行いましたが、今回学校に足を運ぶと、去年から飼育されているエビ・カニたちに一年ぶりに再会しました。
名前などもつけて大事に飼育されているようで、うれしかったです。
さて、出前授業で忙しかった9月ですが、これで今年の川に関する学習は一通り終わりました。
今回は数が多くて大変だったので、ダイビングチーム すなっくスナフキンのSさん、Cさんや、ちょうど当館にインターンシップで来ていた北部農林高校生のN君、Yさんにもお手伝いをしてもらって大変助かりました。ありがとうございました!
(NM)