朝のタカ渡りカウント調査が続いております。
嘉津宇岳では、約2600羽を記録した10月3日をピークにアカハラダカの渡り個体数は減りつつあり、ここ数日ではほとんど見かけなくなりました。
10月6日にはサシバを初確認しましたが、嘉津宇岳では大きな群れを見ることもなく、サシバたちの渡りも終息しつつあるように感じています。
上の写真は、嘉津宇岳で観察されたサシバですが、上空を旋回してはいるものの、南へ渡っていくような気配はありません。
このまま、冬を越す落ち鷹(ウティダカ)になりそうな雰囲気です。
ここ数年の調査でわかったことですが、名護岳に比べると、嘉津宇岳では明らかに渡っていくサシバの数が少ないです。
アカハラダカの渡りについては、2地点でそれほど差はないのですが・・・
どうしてなのか、興味深いです。
私は、調査に加わった約10年前から嘉津宇岳を担当しているので、名護岳からどのようにタカが見られるのか、具体的にイメージできていませんでした。
そこで今年は、嘉津宇岳メンバーも交代で名護岳山頂に登ってみることに!
私が名護岳山頂に登ったのは、10月14日。6時半頃山頂へ着くときれいな朝焼けが出迎えてくれました。しかし、その後は雨が降り出し木陰で雨宿りすることに・・・
雨が降っていては、タカたちも姿を見せません。
雨が降り続き、この日はもうダメかなぁ・・・と思い始めた9時前に降り止みました。晴れ間がのぞくと、上の写真のように周辺の森からサシバが姿を現しました。
上の写真では、手前のサシバのほか、奥の方でも7羽ほどサシバが飛んでいます。
このように森から出てきたサシバたちは、同じ場所に長く留まらず、すぐに飛び去って見えなくなりました。
いつまでも上空で留まっているケースが多い嘉津宇岳に比べると、渡ろうという強い意志が感じられるようでした。
枝をつかんだまま飛んでいるサシバがいました。枝をつかんでいる脚(あし)を上げてついばむような行動を見せていたことから、枝ごと捕まえたセミかなにかを食べているんだと思われます。このような行動はシーズン中に何度も見られます。
今回、名護岳山頂からタカを観察したことで、嘉津宇岳とは個体数にも渡り方のパターンにも違いがあることを改めて実感しました。
名護岳では10月12日、13日と2日続けて1,000羽以上のサシバの渡りが見られたものの、その後は減少傾向にあるようです。
今年中にサシバの渡りが見たい方は、急ぎ名護岳に足を運ぶようお勧めします!
ほとんど見かけなくなったものの、アカハラダカの姿もまだ見ることができます。
(NM)