日々のなごはく。

名護博物館ブログ

冬のカエルのシーズン到来

今月に入ってから沖縄もすっかり寒くなりました。
やんばる(沖縄島北部)の森の渓流では、カエルたちの産卵シーズンが始まったようです。

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リュウキュウアカガエルの卵(2019年12月1日 名護市)

上の写真では、産卵後すぐの卵、産卵後数日の卵、ふ化して数日の幼生(オタマジャクシ)がまざった状態で写っています。

これまでも紹介してきましたが、リュウキュウアカガエル Rana ulma は、名護市ではかなり数が減っている渓流性のカエルです。

 

ここ数年の観察によると、この場所では11月に産卵が始まるようです。 
11月2日の昼間に訪れたときは、卵も幼生も見られなかったのですが、12月1日の夜様子を見に行ったところ、上の写真のように発育のステージがいくつか混ざった状態で卵が見つかりました。

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リュウキュウアカガエルの卵(2019年12月1日 名護市)

上の写真の右上の方に産卵して間もない卵、
まん中あたりに少し発育が進んで、胚(はい)がオタマジャクシっぽくなった卵があります。
まわりがゼリーでおおわれているのですが、透明なため卵の輪郭(りんかく)はよくわかりません。

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リュウキュウアカガエルの卵と幼生(2019年12月1日 名護市)

こちらは、卵と幼生。
幼生も大小と発育のちがうステージが見られました。
もやもやしているのが卵ですが、ゼリー状の部分がネバネバしているので、産卵のあと少したつとこのようにドロなどがくっつきます。

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リュウキュウアカガエルのオス(2019年12月1日 名護市)

この日はわりと暖かく、産卵場所に近づくと、集まったオスたちの小鳥のような「ピョ、ピョ・・・」という鳴き声が聴こえてきました。

いい写真が撮れなかったのですが、産卵中のペアも見られました。

卵と幼生をあわせて、5段階ぐらいのステージが見られたので、この日を含めて数日間産卵が続いていたと考えられます。

また、過去の観察例では産卵からふ化まで約1週間だったので、ふ化後の幼生がいることから、遅くても11月中旬くらいには産卵が始まったようです。

12月1日の産卵範囲の様子からすると、今後も産卵は続きそうな感じでしたが、ここ数日の寒さだと経験上、その後はほとんど産卵していないと予想されます。

次暖かくなったときに、タイミングがあえばまた足を運びたいところですね。

~~~~~~~~~~~~~~~~ おまけ ~~~~~~~~~~~~~~~~

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リュウキュウアカガエルの卵に群がるプラナリア類(2019年12月1日 名護市)

国頭村の渓流でもこのような光景を見たことがあるのですが、彼らは卵を食べているのでしょうか?

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リュウキュウサワマツムシ(2019年12月1日 名護市)


源流の水際では、リュウキュウサワマツムシがきれいな声で鳴いていました。

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アオバラヨシノボリ(2019年12月1日 名護市)

リュウキュウアカガエルの主な産卵場所である源流から下流側へ下っていくとアオバラヨシノボリ絶滅危惧ⅠA類 沖縄県レッドデータブック第3版)が見られました。この川ではたくさん見られますが、市内でもごく限られた川だけにすんでいる沖縄島北部の固有種です。

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エダウチホコリタケモドキ(2019年12月1日 名護市)

同じ源流で、エダウチホコリタケモドキと思われる菌類を見つけました。
そういえば、去年もほぼ同じ場所にありました。
沖縄県レッドデータブック情報不足(DD)に指定されています。

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キクラゲ類とヤンバルヤマナメクジ(2019年12月1日 名護市内)

山の幸であるキクラゲ類(アラゲキクラゲ?)にナメクジが。
彼らにとってもおいしいのでしょうか。

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ところで、今年はイタジイ(オキナワジイ)やオキナワウラジロガシのドングリがほとんど落ちていません。

やんばるでは2年連続でドングリの豊作が続きましたが、今年は・・・どうやら不作なようですね。

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オキナワギク(2019年12月1日 名護市海岸)

川へ行ったついでに、海岸へ寄ってみると、オキナワギク絶滅危惧Ⅱ類 沖縄県レッドデータブック第3版)がたくさん咲いていました。
街から川の源流へいったついでに気軽に海へも寄れる・・・コンパクトに豊かな自然が見られる名護ならではだと思います。


このバランスが大事だといつも感じていますが・・・
だんだんと崩れてきているようにも思えて心配です。


(NM)