毎朝続けている嘉津宇岳のタカ渡り調査では、10月14日をピークにサシバのカウント数も落ち着いてきました。
本日(10月21日)は33羽のサシバが渡ったのみで、終息が近づいているように感じています。名護岳でも同様の傾向が見られているようです。
これまでに渡りを確認した個体のカウント結果(嘉津宇岳:2020年9月12日~10月21日)は、暫定的に以下のようになっています(仮の集計ですので、今後数値を若干修正する場合があります)。
・アカハラダカ 3,882羽 (2019年: 5,372羽)
・サシバ 1,635羽 (2019年: 475羽)
例年に比べると、サシバの渡りはかなり多く見られた一方で、アカハラダカの方は芳しくありませんでした。
このまま渡りが終息してしまうのか、今月末までは調査を続けて見守りたいと思います。
おまけ
今日(10月21日)は、サシバのほかにミサゴのペアが観察されたのですが・・・
・・・撮影したときに気づかなかったのですが、写真を引き伸ばすと大きな魚を脚(あし)につかんでいました。形からするとボラあたりでしょうか。
ダイナミックなポーズのサシバ。
脚につかんだ何かを食べながら飛んでいるようでした。
セミなどの昆虫でしょうか。
セミといえば、調査を始めた頃はリュウキュウアブラゼミが一番多く鳴いていましたが、最近はオオシマゼミ一色になりつつあります。
林の中の枝にツミがとまりましたが、満足のいく写真が撮れる前に飛び去ってしまいました。常にカメラを手に持っていないと一瞬のシャッターチャンスを逃してしまいますね・・・
それはわかっているのですが、ずっと肩からかけているのも重くてしんどいです(汗)
調査地点周辺でよく見られるチョウは、今年はシロオビアゲハとツマムラサキマダラが2トップのようです。
上の写真はシロオビアゲハのメスで有毒のベニモンアゲハに擬態(ぎたい)しているタイプです。
シロオビアゲハの有毒種への擬態については、最近の研究で遺伝学的にもメカニズムの解明が進んでいるようで大変興味深いです。
(関心のある方は以下の外部リンクをご覧ください)
こちらがツマムラサキマダラ。
チョウについてはしっかり記録を取っていないのですが、10年前に比べると本種をよく見かけるようになった印象があります。
海をこえて南下してくるアサギマダラ。最近は毎日のように何頭か見かけます。
ここ数日の朝はもやがあり視界が悪いこともありました。そのような条件下ではタカの渡りを観察するには不向きですが・・・
・・・朝焼けは、山並みや空がピンク色に染まって幻想的でした。
調査日数も残りわずかとなったので、眠い目をこすりながら頑張りたいところです。
(NM)