日々のなごはく。

名護博物館ブログ

ぶりでぃ子ども博物館 塩づくり・干潟歩き

8月17日(水)にぶりでぃ子ども博物館 第4回が行われました!

今回子どもたちが挑戦したのは、屋我地島の我部塩田を使って行われる伝統の塩づくり!
同時に、塩田の周りにあるマングローブや干潟などの豊かな自然に触れながら、いろいろなことを学びました。

空は晴れ渡り、塩づくりには最適!
ただ、干潟歩きは・・・暑くて大変です。

果たして、子どもたちはうまく塩を作ることができたのか!?

最初は、我部塩田へ!
株式会社 塩田(えんでん)の方から塩づくりの全体の流れを説明していただきます。

我部の塩田は入浜式(いりはましき)。潮の干満の影響を受けて、地面に塩分が染みこんでいます。
まずは、「サシ」という道具を使って、砂を塩田にまきます。

まんべんなく広がるようにまくのですが、これがなかなかムズカシイ!

砂をまき終ったら、「シナボーチ」と呼ばれる竹竿を使って、まいた砂を広げます。

これが終わったら、クワのような形をした道具、「クルバシー」で、地面にスジを付けていきます。
こうすることで、日光の当たる表面積が多くなり、砂が乾きやすくなるそうですが・・・

おっと、曲がってしまいました。
まっすぐ引くのは、なかなか難しいようです。

さて、ここまで終わったら午前中の仕事は終わり!
後は、まいた砂が乾くのを待ちます。
砂が乾くときに、地面に染みこんでいる塩分が付着するそうです。

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砂が乾くまでは、しばらく時間がかかります。
屋我地小学校でお昼をとった後は、小学校裏の干潟を探検!

屋我地エコツーネットの皆さんが、案内して下さいました。

3班に分かれていざ出発!
 
 
 

いろいろな生きもの発見!

オキナワハクセンシオマネキ
沖縄の干潟でもっともポピュラー!なシオマネキ。
地面が真っ白になるほどたくさんいる場合もあります。


ベニシオマネキ
赤いシオマネキ。泥や目の細かい砂より、礫(れき)があるようなところでよく見かけます。


ミナミコメツキガニ
面白い形と動きで、今回一番の人気者?
沖縄で見られる本種は、去年、新種ということがわかったそうです。


ミナミベニツケガニ
凶暴です。はさまれるとイタイ!


タマガイのなかまの卵嚢(らんのう)
通称スナヂャワン。変わった形ですねぇ。
砂と粘液を固めて作るそうで、中に貝の卵がたくさん入っているそうです。

広い干潟を散策した後は、マングローブの林の中へ!

樹齢100年以上とも考えられているオヒルギの林です。
地面からボコボコ出ている膝根(しっこん)は、奇妙な景観を作っており、違う世界に足を踏み入れたようです。
手の平サイズの巨大シジミ(シレナシジミ)を見た子もいたようですね。

林を抜けて、また小学校へ。
みんな、干潟歩きを堪能しました。
マングローブの種類や環境によって、そこにすんでいる生きものも変わってくるということを、実感できたのではないでしょうか。

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さあ、塩田に戻ってきたら、トンボのような形をした「ユシ」を使って、乾いた砂を集めます。
 

みんな、一生懸命押しています。ガンバレ!

集めた砂をドラム缶に入れて、上から海水をさらに加えます。

ドラム缶の底は穴が開けてあり、少しずつ水が抜けるようになっています。
塩分をたくさん含んだ砂に海水が加わることで、底からはとても塩分の濃いかん水が出てきます。

海水の塩分は約3%ですが、ここで取れるかん水は約20%です。

いよいよ塩炊きする準備が出来ました!後はこの濃いかん水を炊いて塩を取るだけ!

・・・なのですが、塩炊きはとても時間がかかるので、これから塩炊きを始めたら夜になってしまいます。
ということで、あらかじめ、別のかん水を使って塩炊きを行っておきました。

水分の飛んだかん水から、塩を取り出す作業を行います。
 
 
 

取り出した塩は、苦りを含んでいるので、数ヶ月間寝かせます。
こうしておいしい塩が出来上がるのです。

これで、塩づくり体験は終了!
みんな、塩づくりがとても大変な作業であることを実感したようです。

さて、長くなりましたが、次回はいよいよ最後の講座、「豆腐づくり」です。
「沖縄スバづくり」で失敗した子たちは、リベンジなるでしょうか?

(NM)