去年に引き続き、今年も名護市内の児童を対象とした夏休みの昆虫標本づくり講座を行いました。
(去年の講座の様子はこちら)
この講座は、沖縄昆虫同好会の方々を講師にお招きし、本格的な昆虫標本づくりを体験する講座です。
今年は約30名ほどの参加がありました。
講座は朝から始まりましたが、午前中は昆虫採集でした。
4班に分かれて昆虫を探します。
ハマセンダンの葉についていたモンキアゲハの幼虫。
鳥のフンにそっくりです。
今回講座で作る標本は「乾燥標本」で、水分の多い幼虫向きではないので、これは採集しません・・・
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お昼をはさんだら、午後はいよいよ昆虫標本づくりです!
チョウは展翅板(てんしばん)を使って、翅(はね)を広げた状態で固定していきます。
講師の先生いわく、他の昆虫より難易度は高めとのこと。
セミやカミキリムシなどの甲虫は、展足板(てんそくばん)を使って肢を自然に広げた状態でマチ針で固定してきます。
「完成するとこんな感じ!」講師の先生が参加者に完成品を見せて回ります。
実は、昆虫標本は一日で完成するものではありません。
(というか、一日で完成するような自然史資料の標本はほとんどないように思います)
固定した昆虫は、十分に乾燥させてラベルを付け、防虫剤と一緒に標本箱にきれいに納めて完成となります。
参加者の皆さんには、家に帰ってからもまだ完成までの作業が残っています。
もうひとふんばり、がんばってください!
最後に先生方から、「適切に管理すれば標本はずっと残すことができる!」というお話がありました。
写真の標本は40年以上前に作ったそうですが、昨日採集したかのようにピカピカでした。
自然史資料を扱う博物館にとって、標本は地域の自然を記録する「証拠」として大事なものです。
適切に管理すれば、数百年後にも残すことができます。
また、今回の講座の中でも先生からお話がありましたが、証拠としての標本には、採集情報(西暦で記された採集年月日、採集場所など)が記入されたラベルが付いていることが必須です。
少し手間はかかりますが、このようにしっかりと作った標本は、自分のためだけでなく、将来に残したときに学術的にも価値のあるものになるでしょう。
(NM)