手羽先で骨格標本づくりにチャレンジしよう!ということで2回連続講座を行いました。
講師は、「ドングリを食べてみよう!(記事はこちら)」に引き続き佐藤さんです。
最初に、鳥(ニワトリ)の体の仕組みなどについて説明してもらいました。
説明が終わったら、さっそく手羽先から骨を出す作業に!
まずは、参加者に煮こんだ手羽先を食べてもらい、骨を出して紙の上に並べてもらいます。
すると、あれ?何か骨が足りない・・・?
細かい骨が見つからなかったり・・・
どんな骨があるかイメージがつかめないので、なかなかうまくいきません。
小さな骨やその向き、位置関係を意識しながら、2本目にチャレンジ。
それなりにうまく骨を取り出せました。
骨の数や位置、向きなどがおおよそ頭に入ったら、今度は生肉の出番。
煮こんだ手羽先は肉と骨をわけるのが簡単ですが、バラバラになってしまうので後で組み立てるときに知識と経験が必要になります。
そこで、生肉の方は関節部分をつなげたまま肉を取りのぞいていきます。
ハサミやピンセットなどを使って、肉を切ったりちぎったり・・・肉がかたくて一苦労!
十分できたら、水を入れたフリーザーバッグに浸して入れ歯洗浄剤(ポリデント)投入。
煮こんだ手羽先から取り出した骨も同じように浸しておきます。
そうすると、ポリデントに含まれるタンパク質分解酵素が残った肉をやわらかくしてくれます。
一部の人々の間では、ポリデント=骨格標本づくりという図式が成り立つほど骨格標本づくりでお世話になる製品です(笑)
ここで1回目は終了。
参加者には、自宅で肉取り→ポリデント→肉取り・・・の作業をある程度進めてもらい・・・
一週間はさんで、2回目。
生肉の方は、竹串を使って好きな形に固定してもらい、そのまま乾燥。
スジなどが残っていますが、乾燥すると目立たなくなるそうです。
前回煮こんだ手羽先から取り出した骨は、見本台紙の上に並べ・・・
ホットボンドや接着剤を使って組み立て。
ラベルをつけたら完成です。
今回は身近な材料ということでスーパーで買った手羽先を使っていますが、自然史資料として骨格標本を作るときは、「いつ」「どこで」「だれが」採集したといった記録をラベルに記入して標本につけることが何より重要です。
これがない標本は見せ物にはなりますが、標本としての学術的価値は限りなくゼロになります。
さて、骨格標本づくりというと一般的にはムズカシイ・・・というイメージがあると思いますが、今回のようにスーパーで身近に手に入る材料(手羽先や魚など)を使って失敗してもいいから何度もトライしてみることが大事!という話が佐藤さんからありました。
今年の夏休みの自由研究にむけて、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう?
なお、標本作りのヒントは講師のブログ「沖縄生物倶楽部」に情報があふれていますので、ぜひそちらをご覧ください。情報があふれすぎて探すのが大変かもしれませんが(笑)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 おまけ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
より骨格標本らしくするためには、針金を使って形を整えるとよいとのこと。
針金は、さびにくいステンレスを使用。
今回の講座では、講師秘蔵のコレクションもたくさん見せてもらいました。
コレクションその1 フイリマングース骨格標本。
ここまで出来るようになりたいですね。
コレクションその2 ハナザメの顎の骨格標本(可動式)
スゴイ!の一言。
ジョーズがどのように動くか、その仕組みがよくわかります。
脊椎動物がどのように顎と歯を獲得したか、その進化の話をするときにも役立ちそうな標本ですが・・・
あまり活躍の場がないとのこと。もったいない・・・!
オマケのオマケ。
部屋の片すみに、ホオグロヤモリの骨格標本(ミイラ)が落ちていました。
沖縄ではよく見られます。
(NM)