最近、夕方になると建物内に迷いこんでくるトンボを見かける機会が多かった気がします。
現在、新博物館づくりに伴って新館と旧館を行ったり来たりしていますが、9~10月の間に新館で2回、旧館で2回迷いトンボを見つけました。
このうち3個体は、カトリヤンマのメスでした。このトンボは夕方積極的に活動するようなので、夕方から夜にかけて建物内に入りこんでくるのでしょう。
迷いトンボはすべてではないですが、生息の記録のために、証拠標本にしています。
まさに水色眼鏡の美しい複眼!
・・・しかし残念ながら標本ではこの色はあせてしまい残りません。
上の写真は、ここ10年ほどで名護博物館(旧館および新館)の建物内に迷いこんだトンボを標本化したものです。
私は、この博物館に来てから初めて昆虫標本作りを経験したぐらいですので、虫屋さんから見ればお叱りをうける標本の出来かもしれませんが、そこはご容赦ください!
この標本群の中には、約10年前にこのブログで紹介したカトリヤンマも含まれています(↓)。
改めてこれらのトンボ標本を確認してみたところ、カトリヤンマのほか、リュウキュウカトリヤンマ、ギンヤンマ、リュウキュウギンヤンマ、ヤブヤンマ、カラスヤンマ、オオメトンボ、オオシオカラトンボ、リュウキュウハグロトンボ、リュウキュウベニイトトンボのちょうど10種が記録されていました。
このほとんどが、夕方から夜にかけて建物内に入ってきたものです。
カトリヤンマやリュウキュウカトリヤンマが多いですね。
ヤブヤンマやオオメトンボも夕方積極的に活動する種として知られています。
昼間に身近な環境ではあまり見かけないので、なじみのない種もいるかもしれませんが、こういったトンボたちが生息できる豊かな環境が、市街地周辺にも存在しているということですね。
カラスヤンマやリュウキュウハグロトンボは渓流で見られるトンボなので、名護岳周辺の川の上流域から飛んできたと思われます。
※ たとえば、カラスヤンマの生息環境については、下記の記事で雰囲気が分かります。ヤゴ(幼虫)を紹介しています。
なお、積極的に採集することはしていないのですが、旧館の中庭では、ウスバキトンボやタイリクショウジョウトンボなども普通に見られます。
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さて、新館は旧館から位置的にも近く、川や名護岳が近くにあるという周辺環境の条件も比較的似ています。むしろ、敷地内に緑地があり将来的にビオトープを作ったりすることで、確認種はもっと増えると予想されます。
今後も、地道に記録を続けていきたいところです。
(NM)