少し前のことですが、今月の中頃、名護博物館の中庭に生えているヤエヤマネコノチチに沖縄県の天然記念物であるフタオチョウが訪れているのを目にしました。
ヤエヤマネコノチチはフタオチョウの幼虫のエサとなる食草です。
過去にこの木の下で落下した幼虫を見たことがあるほか、本種らしきチョウが飛んでいるところを数回見たことがありますが、はっきりと姿を目にしたのは・・・実は私、これが初めてです。
翅(はね)がやや欠けている個体でした。
いろいろ苦労していそうです。
背景に写っているのは、当館の収蔵庫です。
名護博物館は市街地の外れにありますが、名護岳が近くにあることから、通常であれば森や林の中へ行かなければ姿を見かけないチョウやトンボその他の水生昆虫などが、ふらっと訪れることもあります。
私は、2009年から当館におりますが、この10年ほどの間で2回ほどコノハチョウ(沖縄県の天然記念物)が中庭に訪れたのを目にしております。
上の写真は、かつて中庭にビワがあった頃(現在は枯れてしまいありません)、落下したビワの果汁を吸いにやってきたコノハチョウです。
名護岳や嘉津宇岳など、名護市内の山々へ足を運べば比較的簡単に見つけることができるチョウですが、街中で見かけることは滅多にありません。
なお、コノハチョウは名護市のチョウにも指定されています。
やんばるの渓流で見られるトンボの代表格であるリュウキュウハグロトンボも中庭で見かけたことがあります。本来本種がいるような環境では全くありません。
めずらしいなぁ・・・と思いカメラを向けたのをよく覚えています。
ほかにも渓流で見られるカラスヤンマやオキナワマツモムシなどが、博物館敷地内や事務所内に迷いこんだことがあります。
以前に館内にカニが出没したことを紹介しましたが、こういった珍客の来館は毎日その場所にいるからこそわかることです。
名護市街地は名護岳などの山々から近いので、毎日注意深く観察すると、意外な発見があるかもしれませんね!
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ところで、現在建設準備中の新館予定地には、現博物館よりはるかに大きい緑地があります。位置的にも名護岳に近いため、いろんな来訪者たちとの出会いが期待できるでしょう!
(NM)