日々のなごはく。

名護博物館ブログ

川の中の忍者 エソハゼ

先日小学校の出前授業で名護市内の川へ出かけたときのこと。
さらさらと流れる瀬に網を入れると、エソハゼ Schismatogobius ninja が取れました。

この2 cmほどの小さなハゼ、学名に「忍者」と付けられているように水中観察で見つけるのはとてもムズカシイです。

取れた場所の川底にそっと返し、撮影したのが下の写真です。
どこにいるかわかるでしょうか?

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エソハゼ(2020年9月 名護市内の川)

川底に潜り、頭だけ出しています。

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エソハゼ(2020年9月 名護市内の川)

全身が見えているとこのような感じです。
じっとしていると、見つけるのが大変なのがよくわかると思います。
2 cmほどの大きさですし!

 

このエソハゼ、以前から沖縄の川にいることは知られていたのですが、近年の研究で詳しく調べ直したところ、実は新種であることがわかったそうです。
新聞等でも報道されたので、記憶にある方もいるかもしれません。

絶滅危惧のハゼ、実は新種 川底に隠れ潜むので学名は… - 沖縄:朝日新聞デジタル


エソハゼは、流れの速さ、川底の砂利の大きさなど、とても限定された条件の環境でしか見つかりません。
沖縄県レッドデータブック第3版では絶滅危惧Aに指定されています。

このような魚が小学校の学習で見つかったのはラッキーでした。
生徒たちにも身近な川に豊かな自然があること、それがとても恵まれていることを知ってもらえるとうれしいですね。

(NM)