前回より大分間が空いてしまいましたが、
「いったい何人描かれているの~?」シリーズ第5弾です。
前回は田植えについてでしたので、今回は稲刈りについて資料をみてみましょう。
原画で稲刈りの様子が描かれているのは、↓中央の下の方、赤丸の所です。
まずは、稲の収穫に関する博物館の資料から見てみましょう。
扱き箸
二本の竹の棒の端をひもなどで結んで箸状にする。
この間に稲穂を挟んで籾をこき落とすものです。
生産性はあまり高くありませんが、近世まで使われていたようです。
千歯こき
櫛状の歯で稲穂の束を扱き籾を扱き落とします。
足踏み式脱穀機
ペダルを踏むとU字のピンが無数についたドラムが回転し、そこに稲穂の束を押し当てて脱穀します。作業量が飛躍的に伸びました。
唐箕
内蔵した風車を回し風の力で藁屑やもみ殻などを吹き飛ばし選別するもの。
上の図では、鎌による稲刈り、足踏み式脱穀機での脱穀、唐箕での籾の選別がえがかれています。
今では、これらの工程を一つの機械で行ってしまいます。
このような季節の風物詩といえるような光景もなかなか見ることができません。
手動の機械が導入されるより昔はすべて手作業で行っていたはず。
新しい道具が導入されたとはいえ、作り手の苦労は大変なものだったでしょう。
この集落図と実際に使われた資料をみていると農村の暮らしを想像する手助けになると思います。(Y.T)