日々のなごはく。

名護博物館ブログ

名護湾クジラ続報 

前回、名護湾のザトウクジラの記事を書きましたが(こちら)、今年は名護湾での目撃情報がどうも例年より多いようです。

あの後、名護湾でザトウクジラが豪快にジャンプしている写真が新聞にも載せられていましたね。
沖縄タイムス記事

これらも含めて、名護博物館に寄せられた目撃情報によると、
今月に入ってから

3/7、3/9、3/12、3/13、3/19、3/21、3/23

と、かなりコンスタントに陸から見られています。
このうち、3/9は市街地の目と鼻の先、名護警察署の裏あたりからザトウクジラがジャンプ(ブリーチング)している様子が確認されています。

さて、3/20(火)の春分の日に、名護近海のザトウクジラ回遊状況を調査している船に乗せてもらって、海の上から写真を撮ってきたのでご紹介します。


恩納村沖約3kmで見られたザトウクジラ

後ろに写っているのは、万座の辺りです。
ギリギリ名護湾?でしょうか。
このクジラも子連れでしたので、お母さんでしょう。

名護湾近くで見られたのは、この親子だけでしたので、北へ向かって伊江島付近まで行ってきました。


伊江島の南で見られたザトウクジラ


残念ながら、豪快にジャンプしている写真は撮れませんでしたが、かなり近くでクジラを見ることができました。

ザトウクジラの尾びれの形・模様は、一頭一頭違います。
私たちの顔と同じようなもので、尾びれで個体を見分けることができるのです。

 

この特徴を利用して、ザトウクジラに関する様々な調査が行われています。
例えば、同じ個体が毎年同じ場所に回遊してくるのか?いつやってくるのか?
・・・というように、多くの情報を手に入れることができるのです。

ちなみに、上の2枚は今回見られたクジラの尾びれですが、全体的に白い個体は、沖縄美ら海水族館の調査でR-294(ON-242)という番号が付けられており*1、今年は伊江島付近で何度か観察されているようです。

ザトウクジラのシーズンもそろそろ終わり。
できれば、名護の街並みをバックに豪快にジャンプしているザトウクジラの写真を撮ってみたいですね(笑)

(NM)

*1:内田詮三(編)(2007) 沖縄近海のザトウクジラ 尾びれカタログ. 海洋博覧会記念公園管理財団 沖縄美ら海水族館, 85pp.