日々のなごはく。

名護博物館ブログ

備瀬の海をのぞいてきました!

先日、本部の熱帯・亜熱帯都市緑化植物園へ行ったついでに、備瀬の海に入って中の様子を見てきました。




海に入って、すぐ近くでお手軽にサンゴや様々な生きものが観察できる場所です。


ヤエヤマギンポ Salarias fasciatus
岩の上をちょこちょこ泳いで、じっとこちらの様子をうかがう愛嬌のある魚です。


アカエソ属の一種 Synodus sp.
(たぶんミナミアカエソ Synodus dermatogenys です)
鋭い歯を持ち、他の魚を丸呑みにするハングリーなやつです。
ルアー(疑似餌)で釣れます。



カンモンハタ Epinephelus merra
岩陰からにらまれました・・・
イシミーバイの名で知られるポピュラーなハタのなかまです。
じっとしていても左右の目は動かして、それぞれ違う角度を注意深く見ています。
食べるとおいしいらしいですよ〜


ハナミノカサゴ Pterois volitans
きれいなバラにはトゲが・・・という言葉を地でいく毒魚です。
魚の鰭(ひれ)には硬い棘(きょく)とやわらかい軟条(なんじょう)がありますが、ミノカサゴのなかまはすべての棘に毒腺を持つ凶悪ぶりです。
棘のある鰭、つまり、背鰭と腹鰭、しり鰭にさわるのはNG。
インターネット上では胸鰭にも毒があるという記述がちらほらありますが、胸鰭には棘はないのでたぶん大丈夫です。
と、いってもさわらぬ神にたたりなし。さわると痛いですよ!


ケヤリムシ科の一種 Sabellidae sp.
(おそらくはインドケヤリ Sabellastarte sanctijosephi かと・・・)
きれいな姿からは想像もつきませんが、ゴカイの親戚です。
花のような部分は鰓冠(さいかん)と呼ばれる触手で、これで呼吸すると同時に、海中をただようプランクトンを集めて食べます。


ヒメジャコ Tridacna crocea
アジケーの名で知られるシャコガイのなかまで、刺身で食べると絶品!
栽培漁業もさかんに行われています。
サンゴなどを酸で溶かして、その中に貝ごと埋まる穿孔性(せんこうせい)二枚貝です。

彼らは体内に光合成を行う藻類をすまわせて、エネルギーを頂いているとのことです。なんと便利な!
私たち人間は太陽光からエネルギーを作るのに四苦八苦しているというのに・・・
まさに生命の神秘ですね〜


ミドリイシ属(造礁サンゴ)の一種 Acropora sp.
藻類を体内にすまわせて光合成でエネルギーをもらうという点では、サンゴの方がシャコガイよりはるかに有名ですよね。
サンゴの白化現象は、共生する褐虫藻(かっちゅうそう)がいなくなることで色が抜けてしまうため、白く見えるそうです。

さてさて、その他にもいろいろな生きものが見られました。
ふだん川ばかり行っていると、海へ行ったときの生物の多さに頭がパンクしそうです(笑)

いつまでも、良い観察場所として残ってほしいものです。

(NM)