日々のなごはく。

名護博物館ブログ

川の季節

暑い日が続いていますね。私はやや夏バテぎみです。
博物館にくる子どもたちはいつも元気です。

昨日の子どもたちは、近くの川でとってきたイッセンヨウジを見せてくれました。
イッセンヨウジについては、過去の記事でも紹介したことがあります(こちら)。

「お〜、オスだね。イッセンヨウジはお父さんがおなかで卵を守るんだよ〜」
などと話しながら、おなかを見てみると、ちょうど卵を持っていました。

標本用に少しだけ卵を拝借。
顕微鏡で観察してみると、赤ちゃんが卵の中で動いていました。

卵の表面には棘のようなものがあり、これでオスのおなかのミゾ(育児嚢)にくっつくのですね。


刺激を与えたためか、観察中にふ化してしまった赤ちゃんも。


卵とのサイズくらべ。丸まって卵の中に入っています。


おなかに栄養のつまった卵嚢(らんのう)をまだ持っています。
飼育下の観察によると、オスのおなかから赤ちゃんが出てくるのは、もっと成長して、成魚の姿に近くなってからだそうです*1

顕微鏡で赤ちゃんを観察した子どもは目を輝かせ、「早く川に返さなきゃ!」と、オスの成魚を川に返しにいきました。
残りの赤ちゃんが無事生まれるといいですね。

ひさしぶりに動画も上げてみます。

ピコピコ動いている心臓が見えますね。

夏休み、レジャーで川へでかける機会も増えると思いますが、そこは生きものたちのくらす空間です。
ゴミなどは忘れずに持ち帰るようにしましょう。

(NM)

*1:Ishihara, T. and K. Tachihara (2008) :Reproduction and early development of a freshwater pipefish Microphis leiaspis in Okinawa-jima Island, Japan. Ichthyological Research, 55:349–355.