名護の川の季節 その3 イクメン!シマヨシノボリ
前回の記事(こちら)で、冬の川(名護市内)に通っていることにふれました。
水は冷たいですが、冬の川でも様々な生きもののドラマを見ることができます。
前にこのブログでも紹介したことがあるシマヨシノボリ(こちら)。
彼らは今ちょうど産卵の時期で、川ではオス、メスともに鮮やか姿を見ることができます。
シマヨシノボリ(♂) Rhinogobius sp. CB
うっとりするほどきれいです。
シマヨシノボリ(♀) Rhinogobius sp. CB
おなかが青く輝きます。
川底の石の下をそっとのぞくと、びっしりと卵が付いていました!
眼が見えています。じきにふ化しそうですね。
シマヨシノボリは、川底の石の下に穴を掘って、その天井(石の裏)に卵を産みつけます。
ヒレを動かして、卵に新鮮な水を送ったり、
近づいてくる他の魚を追っ払ったり、
口を使ってジャマな石を巣穴の外へ運び出したり・・・
と、忙しそうな親父。まさにイクメン!
といっても、魚の世界では、オスが卵の世話をしたり、守ったりする例が多いので、シマヨシノボリが特別というわけではないのですが・・・
無事ふ化するといいですね!
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ちなみに、生まれたばかりのシマヨシノボリはこんな感じです。
全長は、4mm弱です。
体のまん中あたりにある、黒い色で縁どられた丸い部分は、鰾(うきぶくろ)です。
まだヒレはできていませんが、口はしっかり開いています。
(魚類の種類によっては、生まれたばかりの赤ちゃんは、口がまだ開いていません)
生まれた赤ちゃんは、すぐに海へ流されます。
エサの豊富な海で、一カ月ほど浮遊生活を送った後*1、また川へやってくると考えられています。
この間に、ほとんどは他の生物に食べられたりして命を落とすでしょう。
春先に、海から川へ上ってくるヨシノボリのなかまの稚魚をたくさん見かけますが、このようなドラマをのりこえて川へ帰ってきたと考えると感慨深いですね。
(NM)
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