名護市内のビーチで大きめのアオウミガメの死体が打ちあがっているという連絡が当館にありました。
新博物館建設に関連する業務が多忙でなかなか館外に出られないのですが、合間をぬって現場を確認したところ、甲長が1m強の大きな個体でした。
アオウミガメの死体が海岸に打ち上がることはめずらしくないのですが、甲長が50~70cm程度のものが多いです。
アオウミガメはこれまでにもたくさん資料として収集したので、今後積極的に収集することはありませんが、大きな個体はあまり所蔵していないので、標本用に収集することにしました。
死体は痛んでいて、はく製には向きません。骨格用として収集することに。
解剖したところ、胃から腸にかけて海草がいっぱい詰まっていました。
腸のおしり側(総排出口に近いほう)には、海草の消化が進んで練りあんのようになったうんちがたくさん詰まっていました。
胃の中からは透明なビニール片が見つかりました。
打ちあがったアオウミガメを解剖すると、大体おなかの中からビニールが出てきます。以前に、海草によく似た黒いビニールが食道一杯に詰まった死体を見たことがあります。
プラスチックゴミによる海洋汚染は、美しい海を観光資源の目玉としている沖縄にとって避けて通れない問題ですね。
さて、解剖して肉などを取り除いた死体は、持ち帰って砂場に埋めました。
一年ほどそのままにし、微生物などに肉を分解してもらい骨だけになった後、掘り出して標本を作る・・・というのが、大まかな流れなのですが、なかなかその時間が取れないのが実情です。
この記事を読んで、骨格づくりのお手伝いをやってみたい!という方がもしいたら、大歓迎します。名護博物館村田まで、ぜひご一報を!
(NM)