海岸や埋立地の砂地などに巣を作る鳥がいます。
ハトのように木の枝を積み重ねたり、メジロのように枯れ草を器用に編んだりしません。
地面にポコッと卵を置いただけの巣です。
「そんな巣、すぐ敵に見つかってしまって危険じゃないか!」
しかしこれがとーっても見つけにくい、とーっても見事な巣なんです。
ここでクイズ。
写真の中にその鳥の巣があります。
どこでしょう?
これでわかった方は巣を見慣れたベテランか、相当視力が良い方!?
そして巣の主はこちらの可愛い方。
シロチドリ Charadrius alexandrines
チドリ科 方言名:チジュヤー
方言名からピンときた方もいるでしょう。
民謡「浜千鳥」のモデルになった鳥です。
チジュヤーの卵は形や模様が周囲の石や砂とそっくり!
周辺環境への溶け込み具合があっぱれです。
本当にうまく周囲に同化しているので見つけた時は感動。
少し巣によってみると、産座(卵のあるところ)がくぼんでいて、
周囲は細かい石で囲われているのが確認できます。
気づかずに巣やヒナに近づいてしまったときには、
親が少し離れたところでケガをしたように翼をバタバタさせます。
こうすることで自分に注意をひきつけ、ヒナを守るのです。
(これを擬傷行動といいます。)
子孫を残すため、一生懸命巣やヒナを守る親鳥にまた感動。
巣の多様さ、その鳥独自の工夫を目の当たりにし、巣のおもしろさを再確認!
これからさらに盛り上がりを増す鳥の繁殖シーズンが楽しみでしかたありません。
(ひ)