今年で始まってから29年目を迎える「ぶりでぃ子ども博物館」。
年間を通して地域の文化や自然を学ぶ、市内小学生を対象とした連続講座です。
博物館で働いている職員には、この講座の卒業生もいます。
そんなぶりでぃ子ども博物館、今月20日に今年度最後の講座を終えて、無事閉講式を行いました!
(※ 残念ながら、閉講式に参加できたのは約半分のメンバーなので、参加できなかった子には、博物館から連絡があると思います!)
さて、今年は、これまでと少し趣を変え、テーマである「食」のつながりを意識した講座内容でした。
なかなか紹介する機会もなかったので、少しふり返ってみます。
1. 開講式 & 味噌づくり(7月)
開講式とともに始まった最初の講座は、味噌(みそ)作り(2回連続講座)でした。
蒸した米に、
麹菌(こうじきん)を混ぜて、麹を作り、
やわらかくした大豆と混ぜ、昔ながらの味噌作り機を使ってつぶした後、ねかせて発酵・熟成させます。
暑い時期だと味噌作りはなかなか難しいらしいのですが、この講座ではうまく味噌を作ることができました!
この味噌は後々大活躍します。
2.お椀づくり & 紙すき(8月)
こちらも2回連続講座で、自分たちのオリジナルのお椀を作り、空いた時間で紙すきまで行う盛りだくさんの講座でした。
土をこねて、お椀の形にしていくのですが、これがなかなかムズカシイ!
個性あふれる作品たち。
この器たちも、後で再登場します。
紙すきでは、牛乳パックを原料に植物繊維(ゲットウなど)を混ぜて新しい紙を作りました。
この紙は、閉講式で使う重要なアイテムとなります。
3.川あるき(8月)
ぶりでぃ子ども博物館でも一番人気の川あるき講座。
今年は、いつもの源河川ではなく、東海岸に面する汀間川の支流のひとつ、三原福地川に足を運びました。
川は自然のめぐみの宝庫。
そこでとれた魚やエビ・カニは、かつてのくらしでは食糧として大事な存在でした。
今回は、川の自然を観察するだけでなく、
一部の生きものは持ち帰って、スケッチなどをした後に、
実際に食べてみました。
写真は、タナガー(テナガエビ類)の素揚げ。
おいしくて、子どもたちにも好評でした。
4.山あるき(11月)
11月に開催した写真展「亜熱帯の森やんばる」のタイアップイベントとして、名護岳ハイキングコースの一つ、沢コースを歩きました。
この場所は羽地内海にそそぐ我部祖河川の最上流になります。
沢沿いに生えている様々な植物やそこで見られる生きものを観察しました。
花を咲かせるセイタカスズムシソウ。「名護市のチョウ」であるコノハチョウの食草です。
倒木から生えていたヒダウロコダケ。
沢にいたクロヨシノボリ(オス)
リュウキュウハグロトンボ(オス)
・・・などなど、たくさんの動植物を観察することができました。
5.トーフづくり & 閉講式(12月)
さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからがつい先日行ったトーフづくりと閉講式の話です。
閉講式の前に、まずはトーフづくりから!
水につけてやわらかくした大豆を石臼でつぶし(大変なのでミキサーも併用)、
こし袋に入れて絞り、おからと豆乳に分けます。
豆乳をシンメーナービーで煮詰めて・・・
様子を見ながら海水を加えると、表面が固まりはじめます。
トーフバク(豆腐箱)にいれて水分を切れば・・・
豆腐のできあがり!
・・・と簡単に書いていますが、海水の加え加減など、なかなか難しいです。
さてさて、お昼ごはんは、トーフづくしのメニューのできあがりです!
おからは、イリチャー(炒め物)、サラダになりました。
そして、いよいよ、講座で作ったお椀の出番です!
ごはんとトーフ入りの味噌汁。
味噌汁の味噌はもちろん講座で作ったもの。
ちなみに、米は、我部祖河の水田で行った体験講座で収穫したものを使っています。
フタ付きのお椀。発想力が光っていますね。
みんなでお昼ごはんを食べて、ひとまず講座は終了。
午後は、感想文の作成と閉講式を行いました。
修了証書は、紙すきで作った紙を使っています。
そして最後にうれしいサプライズ。
今年の担当ひでき学芸員に受講生から手作りの感謝状が贈られました。
これまでの苦労も忘れるうれしい瞬間だと思います。
受講生のみなさん、ひでき学芸員、半年間お疲れ様でした。
講座にご協力頂いた講師の皆様には、この場を借りてお礼申し上げます。
(NM)