名護市の川上在住で以前名護博物館にいたTさんが、自宅の窓ガラスにぶつかった2羽の鳥を持ってきてくれました。
1羽は沖縄で冬をこすシロハラ。
もう1羽は、年中沖縄で見られる小型のタカのなかま、ツミです。
この2羽、夕方の薄暗くなる頃、ほぼ同時に窓ガラスにぶつかったとのこと。
おそらく、ツミがシロハラを追いかけていたのだと思います。
残念ながらシロハラは死んでいましたが、ツミの方は元気だったので、放鳥することができました。
博物館脇のフクギでしばらく休んでいましたが、しばらくするとどこかへ飛んでいったようです。
以前にも紹介したことがありますが(こちら)、冬になると沖縄にやってくる冬鳥の死亡事故(窓ガラス衝突死など)が多くなります。
窓ガラスによく鳥がぶつかるようでしたら、目立つポスターなどを貼っておくだけで事故防止の効果があるとされています。
ぜひお試しください。
ところで、今回の話を聞いて、「よそ見」が猛禽類のバードストライク(衝突事故)のリスクを高めるという研究報告を思い出しました。
北海道でオジロワシやオオワシが風車にぶつかるバードストライクが発生して問題になっていますが、実験によると獲物がいるとワシはそればかりを注視して前方不注意になり、事故を起こすリスクが高まると考えられているそうです*1。
鳥たちには窓ガラスが見えないので、上の研究例と今回の事故は状況が異なるのですが、獲物を追いかけているとき、または追いかけられているときは、そればかりに集中して他のことへの注意力が落ちてしまうのかもしれないですね。
(NM)