肌寒い日が続いていますね。
やんばるの清流ではハナサキガエルが産卵シーズンを迎えています。
ハナサキガエルの卵(国頭村の川上流)
産卵場の水中にいたハナサキガエル Odorrana narina
ハナサキガエルは、世界中でもやんばる(沖縄島北部)だけにすんでいる固有種です。
12〜2月頃に、上流の滝つぼなど(毎年決まった場所)に集まって一斉に産卵します。
この場所は、段差のある早瀬で岩盤にびっしり卵が産みつけられていました。
団子のような状態(笑)
ところで、カエルが集まっているところには、それをねらう生きものも姿を現します。
ヒメハブ Ovophis okinavensis
せまい産卵場所のあちこちに大小ヒメハブがいて、少しそわそわしながらカエルの観察をしました。
ヒメハブは完全に待ち伏せタイプなので、ほとんど動きません。
岩と同化して気づきにくいので要注意です。
産卵場に陣取るヒメハブ その1
産卵場に陣取るヒメハブ その2
どこにいるかわかりますか?
ハナサキガエルをつかまえたヒメハブ
ヒメハブのほかには、オキナワミナミサワガニもハナサキガエルをねらってやってきていました。
さて、ハナサキガエルは1970年代に行われた名護市の動植物総合調査で市内の生息が確認されていて、今回観察した国頭村のような産卵シーンもかつては見ることができたはずです。
しかし、近年は名護市内での生息例が確認できていません。
同じように、沖縄県の天然記念物になっているオキナワイシカワガエルやナミエガエル、ホルストガエルもかつては市内で見ることができましたが、現在は姿を消してしまいました・・・
まだどこかで生き残っていてくれるといいのですが・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お ま け 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ハナサキガエルの産卵場所のさらに上流では、オキナワイシカワガエルがしきりに鳴いていました。
このカエルも現在産卵シーズンを迎えています。
オキナワイシカワガエル Odorrana ishikawae
と、ついでにベッコウマイマイ(左上)
川へ行く途中の林道ではうれしい出会いが。
リュウキュウオオコノハズク Otus lempiji pryeri
こっちはうれしかったですが、むこうはパシャパシャ写真を撮られて不機嫌そうに見えました(笑)
(NM)