日々のなごはく。

名護博物館ブログ

モクズガニの卵の発生観察中

下の記事で取り上げたモクズガニの抱卵♀から拝借した卵について、その後も経過観察を続けています。

 

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モクズガニの卵(2022年1月28日)

卵の中に幼生の眼がはっきり見えています。

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モクズガニの卵(2022年1月22日)

少し前の1月22日時点の卵です。眼の色が少し付いているのがわかります。
卵の中にある薄紫の部分は卵黄です。卵が育つための栄養ですね。

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モクズガニの卵(2022年1月28日)

そして、これが1月28日の写真です。卵の中でピコピコ動いているのが見えました。
卵黄は吸収されてだいぶ小さくなっています。ふ化前にはなくなるようです*1

なお、卵は塊の状態で海水を入れたプラケースの中に入れ、毎回スポイトで取り出して実態顕微鏡下で観察しているので、同じ卵というわけではないです。

大きさはわずか0.4 mmほど。

卵によって多少発育に差があるようです。

この感じだと、来週にはふ化する幼生が出てくるかもしれないです。

楽しみですね。

(NM)

 

*1:S KOBAYASHI and S MATSUURA, 1995. Egg development and variation of egg size in the Japanese mitten crab Eriocheir japonicus (De Haan). Benthos Research, 48: 29-39.