新博物館本館の脇にある側溝。
先日の館内整理休館日に、その側溝の集水桝(ます)の掃除をしつつ、中にどんな生きものがいるのか調べました。
なんで生きもの?と思う方もいるかもしれませんが、こうしたちょっとした側溝や集水桝にも、実はいろいろな生きものがいるのです。
集水桝は、側溝の合流部などで水がオーバーフローしないように一時的に水を貯めておく場所です。流れてきた落葉や砂などをトラップする役目もあります。
水が溜まっていることが多く、底に石や落ち葉などが積もることで、生きものの隠れ家になるのです。
砂や泥が積もりすぎると、水の流れが悪くなることもあるので、定期的に取り除く必要があります。
この積もった砂や泥の中にどんな生きものがいたのかというと・・・
・・・こんな生きものたちが見つかりました。
ヒルやイトミミズ、側溝に落ちてしまったミミズなどのほかに、トゲナシヌマエビやオオシオカラトンボの幼虫(ヤゴ)も見つかりました。
合計8つの集水桝を調べましたが、そのうち3つから計3匹のモクズガニが見つかりました。なかなかの確率ではないでしょうか!
この側溝は、本館前の道路を挟んで向こう側を流れている水路につながっています。
水路は屋部川の支流にあたり、モクズガニやトゲナシヌマエビは、海からこの水路を経て、敷地内の側溝に入ってきたことになります。
数日前にまとまった雨が降ったので、側溝を水が流れることによって、これが呼び水になったのでしょう(魚やエビなどは水流に逆らって上流へ向かう性質があります)。
このようにして、川から敷地内に生きものが上ってくることは以前の記事でも紹介しています。
今後、中庭に小規模なため池などのビオトープを作りたいと考えていますが、そのときの参考になるよう、今後も継続的に情報を収集していきたいですね。
なお、見つかったモクズガニやトゲナシヌマエビは、エントランスにある水槽で飼育しております。
ご来館の際には、ぜひ探してみてください!
(NM)