今月の4、5日に羽地ダムで行われた「羽地ダム鯉のぼり祭り」で今年も生きもの観察会を行いました。
昨年は、はしかの流行のため祭りが中止だったので、2年ぶりの開催となりました。
天気にも恵まれ、川辺には多くの方が集まっていました。
観察会には、2日間の計4回で約130名の参加がありました。
まず最初は、生きもの探しのレクチャーから。
30〜40分ほど生きものを探したあと、とれた生きものの説明を行いました。
例年どおり、25種ほどの生きものが見つかりました。
この場所の常連。観察会が成り立っているのは、このクロヨシノボリのおかげといっても過言ではないほど!
クロヨシノボリに混じってたまに見つかる少数派。数年前はもっと簡単に見つかった気がしますが・・・
なお、市内の川では普通種です。
体長10cmをこえるなかなかの大物です。ただ、このオスは長いハサミ脚が取れていたため、テナガエビっぽくありませんが・・・
ヤマトヌマエビは源流近くでたくさん見られる種で、開けた中流域のこの場所ではかなりのレア種。1匹だけ見つかりました。他の多くの魚やエビ・カニと同じように、海から上ってきます。
水田などにたくさんいるトンボです。身近で見られる赤いトンボは大体この種かショウジョウトンボ。今回はどちらも見られました。
いつも通り、外来種のティラピア類やグッピーも見られました・・・
この場所では、オオクチユゴイやボラなどの他の大型魚も見られることがありますが、数はとても少ないです。今回は1匹も見られませんでした。
前々からこのブログでも書いていることですが、この場所の生物相は、正直言って名護市の中では豊かとは言えない気がします。生物多様性が豊かというのは、多くの種がバランスよくたくさんいる状態を言います。
一つの種だけたくさんいてもそれは豊かということにはなりません。
生物多様性が豊かであるためには、様々な生きものがくらすことができる環境が豊かであることが大事です。
そのような話を観察会を通して参加者や関係者の皆さんにしたかいがあったのか、最近は、ダム祭り前の草刈りで川岸の草陰を一部残してくれるようになりました。
この場所は、親水性や安全性を高めたため、環境の多様性が豊かとは言えない状態ですが、少し工夫するだけで生きもののすみかを増やすことはできます。この観察会が、親水性や安全性と環境の多様性のバランスを考えるきっかけになれば、とてもうれしいですね。
(NM)