日々のなごはく。

名護博物館ブログ

このヤゴ何のヤゴ?

川岸に張り出した木の根や草の陰。小さな水生生物の絶好の隠れ場です。

こんな場所を見つけると、ついつい魚やエビ目当てにタモ網でさらってみたくなります。

うまくいくと、小魚やエビがたくさん捕れます。な〜んにも入ってないこともしばしば。

で、

個人的には捕れてもあまりうれしくないのが・・・

ヤゴ

しかも、かなりの高確率で入ってます・・・

でも、せっかくなんでどんなヤゴが捕れたのか調べようじゃないか!ということで、いざ!

① アカナガイトトンボのヤゴ
↓成虫(オス)

今のところ一番よく見かけます。というか採集したイトトンボ科のヤゴは全部これでした。

イトトンボって名前のとおり、細いイメージですが、ヤゴもやっぱり細長いんですね。
おしりから出ている3本の枝みたいのはエラで、ここで呼吸するそうです。このエラの分節がはっきりしているのが、特徴の一つです。

沖縄島以南に分布し、川の流れの緩やかな、平地の水草が茂っているような開けた場所に生息するとのこと。ナルホド、確かにヤゴもそのような場所でたくさん捕れました。

リュウキュウハグロトンボのヤゴ

↓成虫(オス)

↓成虫(メス)


次によく見かけるのは、このヤゴ。特徴的な形をしており、なおかつ形態の似た種が沖縄島には分布していないようなので、すぐ見分けられるようになりました。

琉球列島の固有亜種で、こちらは周りが森林で囲まれているような渓流でよく見かけます。別の亜種(Matrona basilaris basilaris)が中国やインドなどに分布しているそうです。

かつては、沖縄県レッドデータブックRDB)でも希少種とされていましたが、現在の改訂版でははずされています。川の環境が回復して、数が増えてきたということでしょうか。

成虫(オス)は、宝石のようにきれいで、森の中で出会うと得をした気分になるトンボです。

さて、みなさんは、トンボのヤゴがどのようにエサを捕るか知っていますか?
この間、運よく動画に取ることができたので、ご覧あれ!


リュウキュウハグロトンボのヤゴがボウフラを捕まえたところです。
ヤゴは肉食なわけですが・・・

下あご(下唇といいます)が伸びて一瞬でエサを捕まえます。

・・・エイリアンみたいですね

(NM)