前編(イジャイ)から続きます。
名護市内にある清流の上流へ夜間調査に行ってきました。
目当ては、クモ、カエル、水生生物など。
調査地点は本流から離れた支流のかなり上流にあり、途中に高い滝がいくつかあります。
本流から上っていくのは大変なので、林道から滝の上にでる山道をひたすら歩き目的地を目指すのですが、これがかなりスリリング!
高所が苦手な私には、足がすくんでしまうような場所がいくつかありました(汗)。
滝の上に出てしまえば、歩きやすい渓流なのですが・・・
滝の真上。
川岸の岩肌には、サツマイナモリのなかまが、たくさんの白い花を咲かせていてきれいでした。
カノウハエトリグモ
緑色のきれいなクモです。
同行したC先生の目的はクモの採集です。
オキナワナガイボグモ
なかなかお目にかかれないそうです。
同じ位置にずっと定位する性質をもっているとか。
ミナミヤモリ(だと思います)
私は見ていないのですが、ひ学芸員が見つけて写真に撮っていたもよう。
目的の一つであるカエルは、残念ながら全く姿を見せませんでした。
私は、クモの調査を横目に見ながら、川の中の生きものを観察。
一生を淡水ですごす上流に適応した種が多く見られました。本流から遠く離れ、滝の上に位置する場所ならでは、といった感じです。
ヤマトヌマエビ
川の最上流でよく見られるヌマエビです。
夜間活発に動き回るので、たくさん見られました。
このエビは生活史の初期に海へ出るタイプで、海からここまで登ってくるのは大変だろうなぁ・・・と考えたりします。
沖縄の川で見られる魚、エビ・カニ、貝はこのタイプがよく見られます。
アラモトサワガニ
川岸の石の下に潜んでいました。
水中でよく見かけるサワガニです。
一生を淡水中ですごし、海には出ません。
川ではおなじみのモクズガニ(キーガイ)
このカニは、上流でなくてもよく見られます。
サシバ(タカのなかま)が南へ渡る頃に繁殖のために川を下るので、タカガニ、ウリガイなどとも呼ばれます。
食べるとおいしいです。
アオバラヨシノボリ
中〜上流だけに見られ、一生をそこですごす沖縄島北部の固有種です。
生息している川は限られており、人工的な環境の改変等が原因で絶滅してしまったところが市内にもあります。
ここにはたくさんいましたが、アオバラヨシノボリにとってよい環境が保たれている楽園であることを意味し、貴重な場所です(他の生物にとっても同じことです)。
リュウキュウハグロトンボの幼生(ヤゴ)
いつ見ても面白い顔をしています。
オキナワコヤマトンボの幼生
クモみたいですね。よく見ると川底にけっこういました。
コセアカアメンボ のペア
オキナワオオミズスマシなどもいました。
正直、生きものよりもそこへたどり着くまでのスリルの方が印象に残りましたが(笑)、楽しい夜間観察でした。
夜の山は危険ですので、経験豊富な方と一緒に行った方がよいですね。
(NM)