博物館に保存されている資料の中には、持ち主のご好意によって譲っていただいたものが数多くあります。
歴史的・美術的に価値のある工芸品から、ご家庭で使われなくなった古い道具までさまざまです。
これらは名護の貴重な財産で、博物館で末長く保存されます。
そして一見、もらってどうするの?というようなモノも博物館にはよく持ち込まれます。
ヘビやら、鳥やらの死体
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博物館にとっては、貴重な資料です!宝物なのです!
名護・やんばるのくらしと自然を知る上で貴重な標本となりますし、博物館で展示する剥製や骨格標本の多くは、このように博物館に持ちこまれた死体を元に作られています。
ということで、最近持ちこまれたヘビの死体をご紹介!
① タイワンスジオ
読谷村から持ってこられました。顔はこんなかんじ↓
スジオナメラというヘビの亜種で、全長は2mを越え、3m近くになる個体もいるという大型のヘビです。毒はありません。
今回持ちこまれた個体は全長1.56mでした。
台湾原産で沖縄島にはもともと生息しておらず、人の手によって持ち込まれたようです。
「外来生物法」という法律がありますが、このヘビ、在来の生態系や人間活動に特に被害を与える種として、「特定外来生物」に指定されています。
許可なく飼育したり、生きたものを捕まえてその場所から運ぶことは、この「外来生物法」によって禁止されています。くれぐれもご注意を!
↓ 外来生物法に興味のある方は、環境省のホームページをご覧下さい ↓
生態系被害防止外来種ピックアップ | 日本の外来種対策 | 外来生物法
ところで、先島諸島にはこのヘビの亜種、サキシマスジオが分布しています。
サキシマスジオの舌は赤色。
タイワンスジオの舌は中心が黒で両側が青白いそうです。
ということで、舌を引っ張り出してみたら・・・
確かに、中心は黒、そしてそれを縁取るように両側は白でした。
② ガラスヒバァ
こちらは、大宜味村からきました。顔はこんなかんじ↓
奄美諸島、沖縄諸島に分布するヘビで、水辺で見かけることが多いようです。
大きくなっても1mそこそこで、見た目かわいらしいヘビですが、毒を持っているようなので注意が必要ですね。
今回のヘビは全長約50cmでした。
このヘビの和名ですが、沖縄の方言で「カラス(のように黒い)ヘビ」を意味するようです。
また、博物館で働いているS田さんによると、名護の伊差川では、野原(モー)にいることから「モーラー」と呼ばれたそうです。
いずれにしても、このようにしっかりとした方言があるということは、このヘビが昔から身近なところでたくさん見られてきた、ということでしょう。
名護には昔たくさんの水田があったようですから、このヘビもたくさんいたのでしょうね。
他にも、こんな呼び方知ってるよ!という方がいたら、ぜひ教えてください。
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さて、博物館に持ちこまれたヘビを紹介しました。
これらのヘビは、腐敗などもなく状態がいいので、剥製にするかもしれません。
持ってきてくださった方々、ありがとうございました。
今回はたまたま市外からの持ちこみでしたが、市内からも年間を通して、たくさんの資料の持ちこみがあります。この場を借りてお礼申し上げます。
(NM)