先日の夜、帰ろうと思って戸締りをしていると、事務所から出て目の前にビーチャーの死がいが・・・!
とても新鮮な状態で、数時間前にはそこにはありませんでした。
耳から多少の出血があったので、ネコか何かに襲われた後に放置されたのかもしれません。
なお、沖縄本島でビーチャーと呼ばれているネズミは、ジャコウネズミとワタセジネズミの2種です。
今回見つかったのはワタセジネズミの方で、環境省および沖縄県のレッドデータで準絶滅危惧に指定されています。
ジャコウネズミの姿は博物館敷地内でしょっちゅう見かけますし、鳴き声もよく聞こえます(ときには建物内のトイレやゴミ箱に侵入することも)が、ワタセジネズミの姿を見たのは、少なくともここ10年で初めてのことです。
こちらがジャコウネズミで、ワタセジネズミより一回り大きく尾が太いです。
写真を並べてみると違いがよくわかります。上のワタセジネズミ(今回見つかったもの)は10cmほど、下のジャコウネズミは15cm以上あります。
なお、ジャコウネズミの方は在来種か外来種か議論があったようですが、近年の研究で古い時代(大航海時代)に人の移動に伴って大陸から持ちこまれた外来種であることがわかっているようです。
ワタセジネズミは、街の周辺や畑、森など様々なところにすんでいるようで、私はこれまで名護市内では嘉津宇岳や名護岳などで見たことはありますが、まさか市街地に隣接した名護博物館敷地内で見かけるとは思いませんでした。
周辺には野良ネコがウヨウヨしており、博物館もその糞害に悩まされていますが、ビーチャーにとっても大層生きづらい環境でしょうね。
今回の事例はしっかりと記録し、何かしら標本として残すつもりです。
(NM)