日々のなごはく。

名護博物館ブログ

保護されるもの、駆除されるもの

今日は、名護市内で見つかったリュウキュウヤマガメ(学名:Geoemyda japonica、方言:ヤマガーミー)が保護されて博物館に持ち込まれました。

環境省レッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類、
沖縄県版では、絶滅危惧ⅠB類として掲載されている希少種です。
世界でも沖縄諸島のみ(本島では北部のみ)に分布しており、国の天然記念物にも指定されています。

タツムリなどを主食とし、雨の日など、湿っているときによく確認されるようです。
特徴としては、やはり甲羅の後ろの方がノコギリのようにギザギザしているところでしょうか。

今回、持ちこまれたのはオスでした。
オスは、交尾の際メスの上に乗りやすいよう、お腹側の甲羅がへこんでいます。
また、尾部にある総排出口(糞などを出す排泄孔と生殖孔が一緒になった穴)の位置がメスと異なります。

実は、この1年間でリュウキュウヤマガメが持ち込まれるのは3回目
いずれも名護市街地近くで発見、保護されたものです。

名護もまだまだ自然が残ってるんだなぁ、と思いながら、持ちこまれた記録を見返してみると、

1回目・・・2010年12月1日、性別不明

2回目・・・2011年9月21日、オス

3回目・・・2011年12月1日(今日)、オス

アレ?なんだかみんな同じ個体に見えてきました。
今回の個体は、過去のものより大きかったですし・・・
しかも、面白いことに1回目はちょうど、一年前の同じ日付です(笑)

まぁ、よく似ていますが、模様などが少し違いますし、きっと違う個体なんでしょう。
今日の夜にでも山に放してこようと思います。

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さて、今日はもう1種、博物館で繁殖している外来種、シロアゴガエルについても記事にしようと思います。

シロアゴガエルが「外来生物法」で定められた「特定外来生物」であるということは以前ご紹介しました(こちら)。

ちなみに、特定外来生物を許可なく生きたまま持ち運んだり、飼育することは法律で禁じられています

夏から秋にかけて、博物館の周りにある水溜りで産卵しているのが確認され、できる限り卵や幼生(オタマジャクシ)を駆除したのですが、まだ随分残っていたようです。

先日は、変態を終えた小さなカエルも見つけました。
ほとんどは幼生なのですが、足が生えている個体も結構いました。

変態には、随分エネルギーを使うのでしょうか?
変態後のカエルは幼生よりも小さかったです。
(写真はすべて同スケールで、最下段の2枚以外はそれぞれ別の個体。下の黒線は1cmです)

観察する分には、かわいらしいカエルなのですが・・・

かわいそうと思いつつ、駆除しました。
人為的に持ちこまれた外来生物は、本当に不幸です。

(NM)