日々のなごはく。

名護博物館ブログ

企画展近況&オススメ

みなさん、こんにちは。
企画展がはじまって早2週間ほどが経ちました。

生きものの世話は大変ですが、たくさんの方に足を運んで頂けるのはうれしいことですね。

さて、今日は、展示しているオススメの生きものなどを紹介しようと思います。

今回の展示は、川の下流から上流に上っていく感じで水槽を置いています。
会場に入ってすぐに大きめの水槽があり、そこでは川の河口近くの汽水域(海水と淡水が混じるところ)の生きものを展示しています。

オニカマス(カマサー)の幼魚

海にすんでいる大型の魚の中には、子ども時代をこのような汽水域ですごすものがけっこういます。
このオニカマスも大きくなると1.5m以上になる大きな魚ですが、子ども時代はマングローブの生えているような川の汽水域でよく見られます。
11/3に行われた「屋部川七色にじ祭り」のイベントの一つとして、屋部川の河口域で自然観察会を行ったのですが、そこで採集しました。

河口域の干潟を再現した水槽

砂を運ぶのが重労働でしたが・・・
手伝ってくれた博物館スタッフのおかげで中々よい感じに仕上がったと思います。

トントンミートビハゼ・ミナミトビハゼ)がこの水槽の顔です。
ふつうの水槽で飼うとあっという間に蓋のすき間から脱走します。
そこで水槽の縁に注目!このような「返し」をつければ脱走は簡単に防げます。


シオマネキのなかまやミナミコメツキガニなどもけっこう入っているのですが、人目を気にしてなかなか出てきてくれません。
カニが掘り起こした穴や食事した後の砂ダンゴはあるので、人がいないときに出てきているようです・・・
でも、今日はめずらしく顔を出していました。慣れた・・・のか?

干潟水槽の後は、小さめの水槽が並びます。

砂に潜るミナミマゴチ

どこにいるかわかりますか?

水槽に入っているのは15cmくらいですが、大きくなると1mちかくになるようです。
肉食です。同居人のコボラを襲っているのを目撃しました(近づきてきたボラをパクッといきます。一瞬です)。
厳しき世界です・・・


あ!コチのヒレ寄生虫がぁ!!
ウオビルの類のようです。魚に寄生して血を吸います。
ピンセットで取り除きました。

他にも、寄生性のカイアシ類や白点病などの病気に悪戦苦闘です(汗)
展示会場に顕微鏡も置いているので、寄生虫も展示しようかと考えている今日この頃・・・

マングローブ(メヒルギ)と同化するウシエビ

屋我地島大袋川(ウフブックガー)産。ここが落ちつくようです。
ところで、屋我地島には大きな川はないので、淡水域の生きものは少ないですが、羽地内海に面している西側の川には河口域にマングローブ干潟があります。
そういうところには、多くの生きものが見られます。

さて、次。
以前の日記(こちら)で紹介した顔ぶれもいます。

アミメカワヨウジ。一緒に展示しているテングヨウジも人気者です。

クロホシマンジュウダイの幼魚

そして、汽水域から淡水域へ。


タメトモハゼ。2年前から飼育している古株です。
くわしくはこちらを。


今回の企画展の一押し、ヒスイボウズハゼ(♂)。
今年5月に新種として発表されたばかりで、世界初!の展示になるようです(言われてはじめて気づきました・・・)。

ちょうど今頃が繁殖期で、川で見るとオスの婚姻色(こんいんしょく)がとてもきれいなのですが(こちら)・・・
水槽ではあまり気分がのらないようで少し地味な色になっています。

それだけならまだいいのですが、岩陰にかくれて中々姿を見せてくれません。
ヒスイボウズハゼ目当てに来られるお客さんも多いのですが・・・
今日少し置き石のレイアウトを変えたので、少しは出てきてくれるといいのですが。


ちなみに、同居人のナンヨウボウズハゼ(♂)はきれいです。


ニホンウナギ
オオウナギではないただのウナギです。
オオウナギも2匹飼育しています。

今回協力を頂いている「沖縄の川の魚たち展示実行委員会」と「ダイビングチーム すなっくスナフキン」のメンバーの方からそれぞれ譲っていただきました。
ありがとうございます。

その他にオオウナギの骨格やはく製も展示しているのは以前ご紹介したとおりです(こちら)。
オオウナギは今回一番の人気者です。やっぱりみんな大きな生きものに惹かれるんですねぇ。

上流域の水槽。

存在をアピールするキバラヨシノボリ(♂)。
左下の♂に「近づくな!」と言っているようです。
限られた川の滝の上流だけにすむ貴重な魚で、絶滅が心配されています。

展示の最後には、外来種の水槽があります。

ソードテール&グッピー
両方とも、子どもを直接生む胎生です。
グッピーは名護市のいたるところで見られます。
むしろ、いない川を探すのがむずかしいくらいです。
ソードテールもちらほら見かけます。


マダラロリカリア(プレコ)
屋部川から見つかっています。

元々ある生態系に深刻な影響を与える可能性のある外来種
でも、捨てられた彼らも被害者です。誰が悪いのかは明らかでしょう。

ちなみに、ソードテールとマダラロリカリアは名護高校生物クラブからお借りしています。
ありがとうございます。

さてさて、他にもいろいろ展示しているのですがキリがないので・・・
メダカやドジョウ、フナなど、誰でも知っているけれど、今ではほとんど見られない・・・そんな生きものも展示しています。

数えてみたら、一時的に展示したものもふくめて、のべ100種以上を展示しているようです。
展示会はまだまだ続きますので、ぜひ足をお運びください!入場無料です

それから、今週末は関連イベント(くわしくはこちら)が目白押しですので、そちらもよろしくお願いします!

(NM)