日々のなごはく。

名護博物館ブログ

特大ガザミ

最近、HT学芸員カニ取りにはまっています。
毎朝、出勤前に近くの川の河口域にしかけたカニ網を上げて、取れたカニを持ってきます。
これまでに取れたカニはアミメノコギリガザミのほか、タイワンガザミやミナミベニツケガニ。
今週の頭には、満面の笑みで大きなカニを2匹持ってきました。
そのうちの1匹が上の写真です。
その少し前にマギー(大きいやつ)を逃したらしいのですが、それより大きいとのこと。

写真では大きさがあまり伝わりませんが、甲幅は約18cm、脚まで入れると約50cmの大きなアミメノコギリガザミのオスで、重さは1kg以上あります!
甲だけで、手のひらをいっぱいに広げたぐらいの長さがあるということです。

ちなみに沖縄で見られるノコギリガザミはアミメノコギリガザミ、トゲノコギリザガミ
アカテノコギリガザミの3種ですが、私の経験的には、市内ではアミメが多いように感じます。トゲやアカテにはまだ出会ったことがありません(これらの2種がすんでいるような環境に足を運ばないだけかもしれませんが)。

これまでのカニたちは、おおよそカニ汁になって職員の腹に納まりましたが(笑)、今回はおいしそうと思いつつ、乾燥標本にすることに。


おなか側。カニはふつう尾部を内側に折り曲げていて、その部分は「ふんどし」と呼ばれることもあります。
イセエビを平べったくして、しっぽを内側に折りたたんだようなイメージです。

この写真のように、ふんどしの幅がせまいのはオス。メスはこの部分に卵を抱くのでもっと幅が広くなっています。
ただ、カニの種類によっては、フクロムシが寄生していて、オスでもメスのように幅広いふんどしになっていることがあるので、注意が必要です。


少し失礼して、ふんどしを開けてみます。真ん中にすじのようなものが見えますが、カニの腸です。
一番下にはちゃんとおしりの穴もあります。


背甲を開けて、くさりやすい内臓だけ取ります。
黄色い部分は、精巣と思われますが・・・今後の食材として使われるかも(笑)

内臓を取ったら、ホルマリンにしばらくつけて防腐処理をしてから乾燥させます。
このときに色も落ちてしまうので、後で彩色するために、色彩を写真で記録しておきます。

完成予定は・・・未定です。目標は夏くらい?

さて、残る一匹はしばらく生体を展示しようと思いますので、博物館にきたときには探してみてください。
同じくらいの大きさの♂で見ごたえがありますよ!

【オマケ】

同じように乾燥標本作製中のヤシガニ
ホルマリンから上げた直後。色はほとんど落ちてないようです。

このヤシガニは、今年の3月に屋我地島で死んでいたものです。
脚が足りないのが残念・・・
やや小ぶりですが、屋我地島にもヤシガニがいるんだなぁと少し驚きました。

(NM)