日々のなごはく。

名護博物館ブログ

海辺の夜道にご用心!

この週末は、すばらしい満月の夜でした。
日曜の夜、国頭〜名護を車で走りましたが、頬をなでる夜風は心地よく、月夜に照らされる風景はとても幻想的でした。
・・・が!道路上にカニの多いこと・・・!
よけるのが大変でした。

今の季節、特に大潮の夜は、海岸近くの道路上をオカガニやカクレイワガニなどが歩き回っているので注意が必要です。


おなかに卵のかたまりを抱えたカクレイワガニが歩いていました。
大潮の夜、特に日没直後に波打ち際で子どもを海に放すようです。
産卵のために道路を渡って海へ行くカニとしては、オカガニが有名ですね。
大宜味村の喜如嘉(きじょか)にはカニ注意の看板と、道路の下をオカガニが通れるようにカニさんトンネルがあります。


卵を抱いたオカガニ
この日も道路上をたくさん歩いていたのですが、写真を撮らなかったので昔のものを・・・(2014年撮影)。
甲幅が5cmをこえる大きなカニなので存在感があります。
※以下のオカガニの写真・動画はすべて2014年のものです。

オカガニも夏〜秋にかけて、大潮の日没直後に波打ち際で子どもを放します。
卵は海へ放されると同時にふ化します。


海に放された直後のカニの子ども(ゾエア幼生)。
左下の黒い線は1mmです。とても小さいですね!
親とぜんぜんちがう姿をしています。
約一カ月は海で過ごし、その後上陸して稚ガニになります。


オカガニが子どもを海へ放すところをまとめた動画です。
【高画質で見たい方はこちら


道路で車にひかれてペシャンコになったオカガニ
親だけでなく、おなかに抱かれていた何万という命も道連れです。

このオカガニは私が見ている目の前で事故にあったので心が痛かったです・・・
子孫を海へ放す目前で力つきたことを考えると無念でしょう。

運転中にカニを見つけてよけるのはなかなか難しいですが、「カニがいるだろう」と頭の片すみに留めておくだけでもずいぶん違う気がします。
夜、海岸近くの道路を走るときは、ご注意を!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 おまけ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

満月と高倉(名護博物館中庭)。
月の光に照らされた積雲って、幻想的でとても好きです。
しかし、撮影でその雰囲気を出そうとすると、月が太陽のように明るくなってしまう・・・
こういうとき、人間の眼がいかに素晴らしいかを実感しますね。

(NM)