日々のなごはく。

名護博物館ブログ

一本のガジュマルにいろいろな虫

前回紹介したフタオチョウの観察(記事はこちら)をしているとき、ふと近くにあるガジュマルの木に目を移すと、きれいな昆虫が葉の上にとまっていました。

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イヌビワオオハマキモドキ(2021年5月14日 名護博物館)

調べてみると、イヌビワオオハマキモドキというガの1種のようでした。

このガの幼虫は、名前のとおり自分の周りの葉を器用に丸め、その中でくらしているようです。

どうやら、イヌビワのなかまであるガジュマルの葉も食べるようですね。

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幼虫に巻かれたガジュマルの葉(2021年5月14日 名護博物館)

成虫がいたそのガジュマルをよく見てみると、幼虫が巻いたと思われる葉がたくさん見つかりました。
それを開いてみると・・・

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イヌビワオオハマキモドキの幼虫(2021年5月14日 名護博物館)

中にイモムシ形の幼虫がいました。

 

ほかにも、よくよく見てみると、同じガジュマルの上にいろいろな昆虫がいるではないですか・・・

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アオバハゴロモの幼虫(2021年5月14日 名護博物館)

一見、生きものには見えない白いカビのような物体・・・

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アオバハゴロモの幼虫(2021年5月14日 名護博物館)

目をこらすと、足が!
アオバハゴロモの幼虫でした。

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アオバハゴロモ(2021年5月14日 名護博物館)

こちらがアオバハゴロモの成虫。

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アオバハゴロモ(2021年5月14日 名護博物館)

一見似ていないですが、比べてみると眼などはそっくりです。
なお、アオバハゴロモカメムシ目の昆虫です。

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オサヨコバイ(2021年5月14日 名護博物館)

同じカメムシ目のオサヨコバイもいました。

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オサヨコバイ?の幼虫(2021年5月14日 名護博物館)

顔つきのそっくりな幼虫も発見。おそらくはオサヨコバイの幼虫でしょう。

カメムシセミを思い浮かべてみると納得ですが、同じカメムシ目の彼らは、針のような口を植物に刺して汁を吸います。

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オキナワイチモンジハムシ(2021年5月14日 名護博物館)

オキナワイチモンジハムシもいました。「葉虫」の名のとおり、葉を食い荒らします。

 

昆虫にはずいぶん人気物件のようですが、葉を食べられたり、巻かれたり、汁を吸われたりと、ガジュマルからすれば迷惑な話でしょうね。

面白い形だったり、きれいだったりで、見ている分には楽しい昆虫たちですが!

 

(NM)