日々のなごはく。

名護博物館ブログ

なごはくサポーター研修&新館屋外作業

今年度のなごはくサポーター研修の第一回目を行いました。

なごはくサポーター研修(2022年5月19日)

昨年度からのメンバー、および今年度から新たに加わった新メンバーを加え、15名ほどが参加しました。

まずはじめに、名護博物館のこれまでの活動や新博物館づくりの概要、活動に関わるために必要な心得等の説明を行いました。

新博物館の植生調査の報告(2022年5月19日)

次に、サポーターの一人であり植物の専門家でもあるWさんより、昨年の秋に新博物館敷地内の緑地で行った植生調査の結果を踏まえ、どのような特徴の林があるのか説明して頂きました。

その後、時間のある方には、敷地内の林内を少し歩いて様子を見て頂きました。

新博物館敷地内のイジュの花(2022年5月19日)

梅雨時期の今、敷地内の林では、イジュの花がたくさん咲いています。やんばる各地の森でも同じような白い花が見られるでしょう。

新博物館の敷地内は、上記の植生調査により、リュウキュウマツタブノキ、イジュ、ホルトノキなどが多い林ということが客観的に明らかになりました。

新博物館の屋外作業(2022年5月19日)

この日は、月一回定期的に行う新館の屋外作業の日でもありました。
研修前には、なごはくサポーターや名護博物館友の会の有志の皆さんと一緒に、林内に入りこんだ侵略的外来植物の除去等の作業も行いました。

以前に敷地内で特定外来生物※のツルヒヨドリ確認したことがあるので、定期的なモニタリングを行い、見つけ次第取り除いていく必要がありますね。

参加した皆さん、朝からお疲れさまでした!

※ 侵略的外来種の中でも特に生態系に悪影響を与える懸念があることから、外来生物法で移動等が規制されている種です。

余談 侵略的外来種について ~世界自然遺産と名護の関係~

昨年、世界自然遺産に登録された沖縄本島北部の「やんばる」地域。名護市は登録地の南側にあるため、区域外ということになります。

では、名護市に関係のない話なのかというと、そんなことは全くありません。登録地へ足を運ぶためには名護市を通過しなければならないため、様々な面で名護市にプラスになることもあるでしょう。一方で名護市が登録地に与えうるマイナス面も想定しておく必要があるでしょう。

今回は、外来種を例にその関係性を少し考えてみたいと思います。

 

侵略的外来種は、入りこんだ地域の生態系に深刻な悪影響を与える可能性のある外来種です。固有の生態系が残され世界自然遺産となったやんばる3村地域でも、その侵入が問題視されています。

このような植物は衣服やくつの裏などに種子などが付いたまま、気づかないうちに人の移動と一緒に運ばれる可能性があります

 

したがって、中南部から世界自然遺産の登録地である北部へ人が移動することによって侵略的外来種の侵入のリスクが高まるのです。

また、登録地の南側に接している名護市でこのような外来種が増えることは、登録地へ侵入する外来種の温床となるリスクも高まる、ということを私たち名護市民も理解しておく必要があるのではないでしょうか。

(NM)