日々のなごはく。

名護博物館ブログ

ホタルの季節 〜名護のホタル速報〜


新聞にホタルの記事が出ていたので、昨日、一昨日と近場の名護岳ふもとで観察してきました。
ホタルというと、幼虫はきれいな川の中にすんでいてカワニナを食べるというイメージがありますが、沖縄ではそのような生活を送るのは、久米島にいるクメジマボタルだけ。少数派なんですね。

ほとんどのホタルの幼虫は陸生で、カタツムリなどを食べます。


まず目についたのは、スゥーっと空中を移動する弱い光。
まさに蛍光色。わびさびを感じます。


光の正体は、オキナワスジボタル Curtos okinawana 。大きさは7mmくらいでしょうか。
光りながら飛ぶのはオスで、メスは飛ばないでゆっくり光ったり消えたりするようですね。


翅(はね)にスジがあるのが特徴です。

横から。


幼虫。クリーム色に少しゴツゴツした形。
幼虫も光ります。地面近くで光っているのは大体幼虫でした。


貝をおそっている幼虫も。


スジボタルに混じって、ときどき強い光でピカピカと点滅しながら飛んでいるホタルも見られます。
なかなか写真にとるのはムズカシイ・・・


毎年のように観察にきていますが、毎回見られます(この写真は2010年5月に撮影)。


正体は、クロイワボタル Luciola kuroiwae
大きさは5mm前後で、オキナワスジボタルよりさらに小さいですが、オスは強い光で点滅しながら飛ぶので目立ちます。
このホタルの幼虫は、陸上に出て光ることがほとんどないそうです。どのような姿をしているのでしょうか。

地面や草かげで光っている幼虫はオキナワスジボタルのほかに、オキナワマドボタルとタテオビフサヒゲボタルが見られました。


タテオビフサヒゲボタル Stenocladius azumai の幼虫。
派手な色でつるっとした形。大きさは5〜6mmくらいでしょうか。
このホタルの幼虫は、ミミズを食べる変わり者。
また、成虫は冬活動し(おもに昼間)、幼虫のように強く光ることはないとか。
しかも、メスはイモムシのような形のまま成虫になるそうで・・・不思議な世界ですね。


オキナワマドボタル Pyrocoeria matsumurai の幼虫。
大きさが1cm以上あり、ひときわ目立ちます。
強い光を放って存在感をアピールしていましたが、近づくとかたまって死んだフリ・・・(笑)。
オキナワマドボタルも、成虫になると昼間活動するようで、スジボタルやクロイワボタルのように光りながら飛ぶことはないそうです。
フサヒゲボタルと同じように、メス成虫はイモムシ型です。


5mmくらいの小さい幼虫もたくさんいましたよ。

そんなわけで、2日間で4種のホタルを見つけることができました。
ホタルが乱舞している光景を撮りたかったのですが・・・また次回チャレンジしようと思います!
あと、昼間オキナワマドボタルの成虫も探してみようと思います。

〜オマケ〜

オキナワハンミョウが葉っぱの上で何匹か休んでいました。
川岸近くでよく見かける昆虫です。
昼間はせわしなく動いてなかなか間近でじっくり見れないので、つい見とれてしまいました。

(NM)