日々のなごはく。

名護博物館ブログ

沢登り in 国頭

昨日の休みに、国頭の川へ行ってきました。
博物館にいつもクワガタやタイワンキンギョを持ってきて下さるZさんの案内のもと、約4kmの流程を4時間半かけて上流までのぼりました。

中望遠マクロレンズしか持ってなかったので、景色を撮影してないのが残念ですが、生きもの中心に紹介します!


産卵中と思われる
リュウキュウハグロトンボ(♀) Matrona basilaris japonica
オスもたくさん飛んでいました。

この川には、甌穴(おうけつ。ポットホールともよばれる)がたくさんあり、中には人が横たわれるほど立派なものも!


ヒメハブ Ovophis okinavensis その1 。川の上の倒木で昼寝中のもよう。


浅い瀬の上で一時停止中のヒメハブその2。なかなか大胆です。


絶滅危惧IB類(沖縄県RDBハナサキガエル Odorrana narina
いつも通りの姿勢正しさ。
川を上っていくと、道先案内のようにピョーンと飛んでいきます(オシッコのおまけつき!)。


もういっちょハナサキガエル。緑色の個体も多く見かけましたが、この個体は青に近いですね。
国頭ふくむ北部3村で見られる希少カエルのうちでは、比較的よく見かけるハナサキガエルですが、残念ながら名護の川では見たことがありません(確認はされているようです)。


若いイシカワガエル Odorrana ishikawae (絶滅危惧IB類(沖縄県RDB))
1.5mほどの段差をよじ登っているときに、ふと横に目をやったらいました。
以前の日記(コチラ)でも別の水系のイシカワガエルを紹介しています。

こんな目立つ色で大丈夫かと思いきや・・・


背景に溶けこんで、気づかず通り過ぎるところでしたよ!
意外にも、岩の上でじっとしているので目立ちません(上の写真には2匹います)。


瞳の中にカメラのレンズが・・・
眼と眼(カメラの)があった瞬間です(笑)。

同じ絶滅危惧IB類のナミエガエルもいたのですが、カメラを構えたときには岩の隙間の中・・・(残念!)
希少カエルが多く、それらを狙っているだろうヘビが多いのは、名護の川では見られない国頭ならではの光景かなぁ・・・と思ったり。
ヒメハブのほかに、ガラスヒバァリュウキュウアオヘビも見かけました。
ついでに、樹上にはノグチゲラもちらほら。

かなり足早に歩いたので、じっくり見られなかったのですが、ところどころ水中も見ました。

ヌマエビ Paratya compressa 。渓流でよく見かけます。


クロヨシノボリ(♂)Rhinogobius brunneus
上流で多く見られるヨシノボリで、名護の川でもたくさん見られます。
奥の石にくっついているのはカワニナ


別のオス。フラッシュなしの自然光で撮影。見た目に近いです。
クロヨシノボリは川を上る力が強く、いろんな川の最上流まで生息しています。
ここへ来る川の途中で、それは立派な砂防ダム(垂直で10m以上の高さ)があったのですが、へっちゃら!なようです。



上流の方のみで見られたヤマトヌマエビ(♂)Caridina multidentata
大型のヌマエビでタナガー(テナガエビ類)と同じくらい存在感があります。

このほかに、ボウズハゼ、アラモトサワガニ、ミナミテナガエビヒラテテナガエビなどがいました。
ぱっと見た感じでは特にめずらしい魚やエビ・カニはいませんでしたが、今度行くときは水中をじっくり観察したいですね。

この川は全体的に水中がとても澄んでいて、撮影もしやすかったです。
砂防ダムより上流の川の景観がすばらしく、大きな岩がたくさんあり、名護でいえば源河川の上流に近いかなぁという印象でした。

ところで、「やんばるの自然」というと、ヤンバルクイナなどが見られる国頭村・東村・大宜味村をイメージする人も多そうですが、川については、名護も負けないくらい素晴らしい環境があると個人的に思っています。

(NM)