こんにちは、今日は旧盆(ウークイ)ですね。
博物館はいつも通り開館しています。
さて、先週、学芸員実習生と一緒に名護市の東側にある汀間川や大浦川などの観察に行ってきました。
実際に川の生物を採集して、同定や標本づくりの仕方も勉強してもらいました。
わずかな時間でしたが、魚類、甲殻類、貝類、水生昆虫など40種ほどの生きものが見られました。
(汀間川の中流域で、外来魚のティラピア、グッピーが大量にいたのは残念でしたが・・・)
アミメカワヨウジ Hippichthys (Hippichthys) heptagonus
名護の川へ出かけると、以前紹介したイッセンヨウジ(こちら)やテングヨウジなどは比較的よく出会えるのですが、このアミメカワヨウジには初めてお目にかかりました。
川の汽水域や淡水域の下流で見られる魚です。
代表的な魚の図鑑では八重山諸島以南に分布するとされていますが*1、最近はそれよりかなり北の高知県からも記録があるようです*2。
といっても、やはり多く見られるのは八重山諸島なのでしょう。
でも、以前は最大の生息地だった石垣島の名蔵川では、工事による川の生息環境の破壊、外来魚のティラピアなどの影響で、近年は絶滅が心配されているとか・・・*3
そんな現状を受けて、環境省のレッドデータブックでは、絶滅危惧IB類に指定されています(沖縄県版では指定されていません)。
名護市の川には、まだこのような希少種がくらせるだけの環境が残されているのかとしみじみと思いました。
とりあえず、しばらくは水槽に入れて様子を見ることにします。
ヨウジウオのなかまは、生きているエサを中心に食べるのでなかなか飼育が難しいですが、アルテミア(エビみたいなプランクトン)を食べてくれたので一安心です。
実習生は「棒ちゃん」と呼んでいましたが、木の枝に寄りそったりフワフワ泳いでいる様子はとてもかわいいです。
博物館にお立ち寄りのときは、ぜひご覧下さい。
〜〜〜〜〜〜〜〜オマケ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
以前紹介したクロホシマンジュウダイの稚魚(こちら)も取れました。
姿がきれいで動きもかわいいのですが、他の魚をつついたりするのはやめていただきたい!
時間がなかったので、実習生には説明するだけになってしまったのですが、後で採集した魚の一部を標本にしました
(写真はゴクラクハゼ)。
標本にする前に写真撮影をするのですが、これが一番手間のかかる作業です。
まだまだ未熟なので、あまりいい写真が撮れません・・・
そのお話は、また次の機会に。
(NM)